学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ34P076

理由で解く 柔道整復師

QJ34P076 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問76
問題
腰椎の横突起骨折の検査はどれか。
選択肢
1 パトリックテスト
2 ルドロフ徴候
3 ヒップテスト
4 パイル徴候
解答
正解4(パイル徴候)
解説

腰椎横突起骨折に対応する検査はパイル徴候である。横突起に付く筋が牽引されると骨折部に疼痛が誘発される、という機序で成り立つ所見である。

腰椎の横突起には腰方形筋や大腰筋、腹横筋・腹斜筋群の一部が付着する。腰部への直達外力のほか、体幹の急激な側屈・回旋でこれらの筋が強く収縮し、付着部が引き抜かれるように横突起が折れることがある。骨折が起きると、これらの筋を働かせる動作、たとえば患側下肢を伸展位のまま挙上する動作や体幹の側屈で骨折部に牽引力が加わり、鋭い疼痛が誘発される。この所見がパイル徴候として知られ、横突起骨折を疑う手掛かりになる。横突起骨折は腎損傷や後腹膜血腫を合併することがあるため、血尿、側腹部の腫脹、血圧低下などがないかを確認し、疑わしければ画像診断のできる医療機関へ紹介する。

✓ 4. 正しい
パイル徴候
横突起に付着する腰方形筋・大腰筋などが牽引されると骨折部に疼痛が生じる。患側下肢の伸展挙上や体幹側屈で誘発される所見で、腰椎横突起骨折に対応する。
✗ 1. 誤り
パトリックテスト
股関節を屈曲・外転・外旋位にして行う検査で、股関節や仙腸関節の病変をみるもの。腰椎横突起の骨折を判定する検査ではない。
✗ 2. 誤り
ルドロフ徴候
腸腰筋の付着部である小転子の裂離骨折でみられる所見で、坐位から股関節を自動屈曲できなくなる。骨折部位が異なる。
✗ 3. 誤り
ヒップテスト
腰椎横突起骨折の評価に用いる検査ではない。横突起骨折を疑う所見はパイル徴候であり、「横突起骨折=パイル徴候」の対応を先に固定しておけば、この肢は消去できる。
ポイント
  • 腰椎横突起骨折 ⇔ パイル徴候。付着筋(腰方形筋・大腰筋など)の牽引で骨折部痛が誘発される。
  • 受傷機転は腰部への直達外力、または体幹の急な側屈・回旋による筋の牽引(裂離)。
  • 小転子裂離骨折 ⇔ ルドロフ徴候(坐位で股関節を自動屈曲できない)と対にして覚える。
  • パトリックテストは股関節・仙腸関節をみる検査で、腰椎の骨折評価には用いない。
  • 腎損傷・後腹膜血腫の合併に備え、血尿や側腹部腫脹、全身状態を確認し、疑えば医療機関へ紹介する。
比較表
検査・徴候対応する病態要点
パイル徴候腰椎横突起骨折付着筋の牽引で骨折部に疼痛が誘発される
ルドロフ徴候小転子裂離骨折腸腰筋付着部。坐位で股関節を自動屈曲できない
パトリックテスト股関節・仙腸関節の病変屈曲・外転・外旋位で疼痛を誘発
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