学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §4 総論 整形外科的治療法 / QJ34P057
理由で解く 柔道整復師
人工関節形成術は、破壊された関節面を金属・ポリエチレン・セラミックなどの人工材料に置き換えて、除痛と可動域・支持性の再建を図る手術です。活動性(急性期)の関節感染は最も重要な禁忌であり、正答は2です。
なぜ感染だけが特別扱いされるのかを、インプラントの性質から理解しておくと忘れません。人工関節は血流のない異物です。細菌がその表面に付着すると、多糖体の膜(バイオフィルム)をつくって身を守るため、白血球も抗菌薬も届かなくなります。つまり「入れた瞬間に、免疫の届かない細菌の住処を作ってしまう」ことになり、感染は鎮まらず、早期の抜去・再手術に至ります。したがって急性期の化膿性関節炎では、まず関節穿刺・洗浄・デブリドマンと全身抗菌薬で感染を鎮静化させ、炎症反応が陰性化して十分な期間が経ってから、あらためて二期的に人工関節を行うのが原則です。主な適応は、保存療法で除痛が得られない変形性股・膝関節症、関節リウマチ、特発性大腿骨頭壊死症などで、これらには寛骨臼側とあわせて置換する全置換術(THA)が行われます。大腿骨頸部内側骨折(Garden III・IV型)も人工関節の適応ですが、こちらで標準的に行われるのは骨頭だけを置き換える人工骨頭置換術(半関節形成術=hemiarthroplasty)であり、全置換とは術式も適応判断も異なる点を区別して覚えてください。
| 適応となる状況 | 避ける・慎重にする状況 | |
|---|---|---|
| 病態 | 変形性股・膝関節症、関節リウマチ、大腿骨頭壊死(→全置換/THA)/大腿骨頸部内側骨折(→人工骨頭置換術=半置換) | 活動性の化膿性関節炎・骨髄炎(絶対的禁忌) |
| 年齢 | 高齢者(活動度が落ち着き、耐用年数内で経過しやすい) | 若年者(再置換の可能性が高く適応は慎重) |
| 全身状態 | 手術・リハビリに耐えうる | コントロール不良の全身感染、高度な易感染状態 |
| 目的 | 除痛が第一、次いで可動域と支持性 | 除痛以外の目的だけでの安易な適応 |
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