学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §21 臨床実地問題 / QJ34P044
理由で解く 柔道整復師
前頸部の腫れ(甲状腺腫)、気力低下、皮膚乾燥、便秘、寒がり、徐脈46/分、圧痕を残さない下腿浮腫──甲状腺機能低下症の症候がそろっています。中年女性でびまん性の甲状腺腫を伴う代表格は橋本病(慢性甲状腺炎)です。
甲状腺ホルモンは全身の代謝を上げるホルモンなので、不足すると症状はすべて「代謝が落ちた状態」として説明できます。熱産生が減って寒がりになり、汗腺・皮脂の分泌が減って皮膚が乾燥し、消化管運動が落ちて便秘になり、心拍数が減って徐脈となり、精神活動も鈍って気力低下・抑うつ様になります。特徴的なのが粘液水腫で、真皮にムコ多糖が沈着して起こるため、指で押しても圧痕が残らない(非圧痕性)点が心不全や腎疾患の圧痕性浮腫との決定的な違いです。橋本病は自己免疫による慢性甲状腺炎で中年女性に多く、びまん性の甲状腺腫を触れます。こうした所見に気づいたら、施術を続ける前に医療機関の受診を勧め、経過を情報提供することが柔道整復師の役割です。
| 橋本病(機能低下) | バセドウ病(機能亢進) | 心不全 | |
|---|---|---|---|
| 脈拍 | 徐脈 | 頻脈 | 頻脈が多い |
| 体温感覚 | 寒がり | 暑がり・多汗 | 特徴なし |
| 体重 | 増加 | 減少 | 浮腫で増加 |
| 便通 | 便秘 | 下痢 | 特徴なし |
| 浮腫 | 非圧痕性(粘液水腫) | 前脛骨粘液水腫(限局性) | 圧痕性 |
| 甲状腺 | びまん性腫大 | びまん性腫大 | 腫大なし |
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