学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ34P019
理由で解く 柔道整復師
創傷治癒の促進を目的として設計された治療的電気刺激は微弱電流刺激(MENS)です。よって2が該当します。
皮膚や組織が傷つくと、損傷部と健常部の間に損傷電流(current of injury)と呼ばれる微小な電位差が生じ、これが細胞の遊走や増殖を導く道しるべになります。微弱電流刺激は、この生体内の電流に近いマイクロアンペア(μA)オーダーという極めて弱い刺激を与えて、治癒の流れを後押しする方法です。ATPの産生やタンパク合成、細胞膜での物質輸送が促されるとされ、創傷のほか骨折や軟部組織損傷の治癒促進、疼痛緩和に用いられます。刺激強度が知覚閾値以下のため患者はほとんど何も感じず、筋収縮も起こらないのが大きな特徴です。他の3つはいずれもミリアンペア(mA)オーダーの刺激で、狙いは鎮痛か筋収縮の誘発です。なお高電圧パルス電流(HVPC)は単相性で極性をもつため臨床では慢性創傷にも応用されますが、本問が問うているのは「創傷治癒促進を主目的として設計された刺激」であり、電流の桁と設計思想(治癒促進か、鎮痛か、筋収縮か)をセットで押さえれば微弱電流刺激に絞り込めます。
| 刺激の種類 | 電流の大きさ・特徴 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 微弱電流刺激(MENS) | μAオーダー、知覚閾値以下で感じない、筋収縮も起こらない | 創傷・骨折・軟部組織損傷の治癒促進、疼痛緩和 |
| 干渉波電流 | 周波数の異なる中周波を交差させ、体内で低周波のうなりを発生 | 鎮痛、筋収縮誘発(深部に届きやすい) |
| ロシアンカレント | 2500Hz前後の中周波をバースト変調 | 筋力増強、廃用性筋萎縮の予防 |
| 高電圧パルス電流(HVPC) | 高電圧・パルス幅が極めて短い単相性の双峰性(twin-peak)パルス。単相性ゆえ極性をもつ | 疼痛緩和、浮腫軽減、筋収縮誘発(極性を利用して慢性創傷の治癒促進にも応用) |
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