学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §7 炎症 / QJ34A124

理由で解く 柔道整復師

QJ34A124 病理学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問124
問題
急性炎症の指標となる細胞はどれか。
選択肢
1 マクロファージ
2 形質細胞
3 好中球
4 リンパ球
解答
正解3(好中球)
解説

急性炎症の場に真っ先に集まってくるのは好中球です。浸潤している細胞の顔ぶれを見れば、その炎症が急性か慢性かを見分けられます。

炎症は、血管反応(拡張と透過性亢進)→滲出→細胞浸潤→修復という順で進みます。組織損傷や細菌感染が起こると、数時間以内に好中球が血管内皮に接着し(ローリングと接着)、内皮の間を通り抜けて(遊走)ケモカインの濃度勾配に沿って病巣へ集まり、細菌を貪食して活性酸素と加水分解酵素で殺菌します。膿は、この役目を終えた好中球と壊れた組織、細菌が混ざったものです。好中球の寿命は短いため、炎症が数日を超えて続くと主役はマクロファージ、リンパ球、形質細胞に移り、線維芽細胞による線維化を伴う慢性炎症の像になります。好中球が目立てば急性、リンパ球・形質細胞・マクロファージが目立てば慢性という読み方が基本です。

✓ 3. 正しい
好中球
白血球のうち最も数が多く、炎症の初期に最も早く病巣へ到達して細菌を貪食します。急性炎症、とくに化膿性炎の指標となる細胞です。
✗ 1. 誤り
マクロファージ
単球が組織に入って分化した細胞で、遅れて登場し、壊れた組織や好中球の後始末と抗原提示を担います。慢性炎症、とくに結核などの肉芽腫性炎で目立ちます。
✗ 2. 誤り
形質細胞
B細胞が分化して抗体を産生する細胞です。抗体産生には時間がかかるため、形質細胞の浸潤は慢性炎症を示す所見となります。
✗ 4. 誤り
リンパ球
T細胞・B細胞からなり、抗原特異的な免疫応答を担います。慢性炎症やウイルス感染で主体となる細胞で、急性期の指標にはなりません。
ポイント
  • 急性炎症=好中球慢性炎症=リンパ球・形質細胞・マクロファージ
  • 炎症の5徴:発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害。前2つは充血、腫脹は滲出による
  • 膿=好中球+壊死組織+細菌。膿を作る炎症が化膿性炎
  • 好酸球が目立てばアレルギーや寄生虫感染を考える
  • 類上皮細胞やラングハンス巨細胞が見えれば肉芽腫性炎(結核、サルコイドーシスなど)
比較表
項目急性炎症慢性炎症
主な浸潤細胞好中球リンパ球、形質細胞、マクロファージ
経過数時間〜数日数週間〜年単位
血管反応拡張・透過性亢進が著明、滲出が目立つ目立たない
組織の変化滲出液・膿の貯留線維化、肉芽腫、瘢痕
代表例急性虫垂炎、蜂窩織炎結核、関節リウマチ、慢性胃炎
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