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理由で解く 柔道整復師

QJ34A122 病理学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問122
問題
漏出性出血が起こるのはどれか。
選択肢
1 大動脈
2 腎動脈
3 消化管毛細血管
4 下大静脈
解答
正解3(消化管毛細血管)
解説

漏出性出血は血管壁に目に見える裂け目がないまま赤血球がしみ出る出血で、起こるのは壁の薄い毛細血管や細静脈です。

出血は成り立ちによって2つに分けられます。破綻性出血は血管壁が裂けたり破れたりして血液が流出するもので、外傷、動脈瘤・静脈瘤の破裂、潰瘍や腫瘍による血管の破壊が原因です。一方漏出性出血は、血管の形は保たれたまま、内皮細胞の間隙が開いたり壁が脆くなったりして赤血球が壁を通り抜けるもので、うっ血、低酸素、炎症、ビタミンC欠乏(壊血病)、血小板減少、敗血症などが背景になります。壁が1層の内皮と基底膜しかない毛細血管や細静脈は構造的にこれが起こりやすく、逆に大動脈・腎動脈・下大静脈のような太い血管は3層の厚い壁を持つため、出血するとすれば破綻性です。「漏れ出るのは細い血管、破れるのは太い血管でも起こる」と押さえてください。

✓ 3. 正しい
消化管毛細血管
毛細血管は内皮細胞と基底膜のみからなる最も薄い血管で、透過性が亢進すると赤血球が容易にしみ出ます。消化管のうっ血や粘膜の炎症で見られる、にじむような出血がこれにあたります。
✗ 1. 誤り
大動脈
弾性線維に富む厚い壁を持つ弾性型動脈です。ここで起こる出血は動脈瘤の破裂や解離のような破綻性出血であり、赤血球が壁をしみ出ることはありません。
✗ 2. 誤り
腎動脈
平滑筋の発達した筋性動脈で、壁は厚く内圧も高い血管です。出血する場合は外傷や動脈瘤破裂などによる破綻性出血になります。
✗ 4. 誤り
下大静脈
静脈は動脈より壁が薄いものの、下大静脈のような大静脈は3層構造を備えており、赤血球がしみ出る場ではありません。損傷時は破綻性の大量出血となります。
ポイント
  • 破綻性出血=壁が破れる。外傷、動脈瘤・静脈瘤破裂、潰瘍、腫瘍浸潤
  • 漏出性出血=壁は保たれたまま赤血球がしみ出る。毛細血管・細静脈で起こる
  • 漏出性出血の背景:うっ血、低酸素、炎症、血小板減少、ビタミンC欠乏(壊血病)
  • 点状出血・紫斑は漏出性出血の見え方。押しても消えない点が充血・紅斑との違い
  • 血管の壁の厚さ(内膜・中膜・外膜の3層か、内皮+基底膜だけか)で判断すると迷わない
比較表
項目破綻性出血漏出性出血
血管壁裂ける・破れる形は保たれ、透過性亢進や脆弱化が起こる
起こる血管太い血管を含めどこでも毛細血管・細静脈などの微小血管
主な原因外傷、動脈瘤・静脈瘤破裂、潰瘍、腫瘍浸潤うっ血、低酸素、炎症、血小板減少、ビタミンC欠乏
代表例大動脈瘤破裂、食道静脈瘤破裂点状出血、紫斑、うっ血に伴う粘膜出血
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