学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §5 姿勢 / QJ34A113

理由で解く 柔道整復師

QJ34A113 運動学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問113
問題
人体の重心で正しいのはどれか。
選択肢
1 新生児では臍よりも高い。
2 成人では仙骨のやや後方にある。
3 成人では女性よりも男性の方が低い。
4 大腿の重心は中央よりも遠位側にある。
解答
正解1(新生児では臍よりも高い。)
解説

新生児は頭部が大きく下肢が短いため重心が高く、臍よりも上に位置する。成長に伴って下降し、成人では立位で仙骨のやや前方に落ち着く。

重心の位置は身体各部の質量分布で決まる。新生児は頭部が身長のおよそ4分の1を占める「4頭身」の体型で、頭部の質量割合が大きく下肢が短いため、重心は体幹の上方(おおむね剣状突起の高さ)にあって臍より上になる。成長とともに下肢が伸びて質量が下方へ移り、成人では立位で第2仙椎のやや前方、身長のおよそ55〜56%の高さに位置する。仙骨の「前方」であることには意味があり、重心線が股関節のやや後方、膝関節と足関節のやや前方を通ることで、靱帯の張力を利用した省エネルギーの直立が可能になる。体格差では、肩幅と胸郭が発達し上半身が重い男性の方が重心はやや高く、骨盤が大きく下肢側に質量が寄る女性はやや低い。四肢の各セグメントは近位ほど太く重いため、大腿でも下腿でも上腕でも重心は中央より近位寄りにある。

✓ 1. 正しい
新生児では臍よりも高い。
頭部が大きく下肢が短い新生児では重心が体幹上方(剣状突起の高さ付近)にあり、臍より上に位置する。成長に伴い下肢が伸びて重心は相対的に下降していく。
✗ 2. 誤り
成人では仙骨のやや後方にある。
成人の重心は第2仙椎のやや前方にある。前方にあるからこそ重心線が股関節の後方・膝関節の前方を通り、靱帯の張力で楽に立位を保てる。前後を入れ替えて覚えないようにしたい。
✗ 3. 誤り
成人では女性よりも男性の方が低い。
高低が逆である。男性は肩幅・胸郭が大きく上半身の質量が大きいため重心はやや高く、女性は骨盤が大きく下半身に質量が寄るためやや低い。身長比でおよそ1%前後の差とされる。
✗ 4. 誤り
大腿の重心は中央よりも遠位側にある。
大腿は近位ほど筋量が多く太いため、重心は中央より近位側にある。上腕・前腕・下腿も同様に近位寄りで、これは四肢のセグメントに共通する性質である。
ポイント
  • 新生児の重心は高く、臍より上(おおむね剣状突起の高さ)。成長とともに下降する。
  • 成人の重心は立位で第2仙椎のやや前方、身長の約55〜56%の高さ。
  • 男女差:男性の方がやや高い(上半身が重い)/女性はやや低い(骨盤が大きい)。
  • 重心線は乳様突起 → 肩峰のやや後方 → 股関節のやや後方 → 膝関節のやや前方 → 足関節のやや前方を通る。
  • 四肢の各セグメント(上腕・前腕・大腿・下腿)の重心は、いずれも中央より近位寄り。
比較表
項目内容
新生児の重心体幹上方(剣状突起の高さ付近)。臍より上。頭部が大きく下肢が短いため
成人の重心第2仙椎のやや前方。身長の約55〜56%の高さ
男女差男性はやや高い(肩・胸郭が大きい)/女性はやや低い(骨盤が大きい)
重心線の通り道股関節のやや後方、膝関節・足関節のやや前方
四肢セグメントの重心上腕・前腕・大腿・下腿とも中央より近位寄り
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