学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ34A112

理由で解く 柔道整復師

QJ34A112 運動学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問112
問題
頸椎の回旋運動の大部分を担うのはどれか。
選択肢
1 第1頸椎~第2頸椎
2 第3頸椎〜第4頸椎
3 第4頸椎〜第5頸椎
4 第5頸椎〜第6頸椎
解答
正解1(第1頸椎~第2頸椎)
解説

頸椎の回旋の大部分は環軸関節(第1頸椎〜第2頸椎)が担う。歯突起を軸とする車軸関節という構造がその理由である。

軸椎の歯突起は、環椎前弓と環椎横靱帯がつくる輪の中に納まり、環椎(および頭部)が歯突起を軸として回る。これが正中環軸関節(車軸関節)で、左右の外側環軸関節も関節面がほぼ水平で回旋を妨げないため、この一関節だけで片側およそ45度という大きな回旋を生み出す。一方、第3頸椎以下の椎間関節は関節面が水平面から約45度傾いているため、回旋には必ず同側への側屈が伴い(連結運動)、1椎間あたりの回旋角は数度にとどまる。下位頸椎を全部合わせても環軸関節1か所の回旋量には及ばず、回旋の主役が環軸関節であることは動かない。なお頸部回旋の全体値は出典で扱いが異なり、国家試験で暗記する参考可動域角度(日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会)では片側60度、運動学書の実測系では片側70〜90度とされる。本問は「回旋の大部分を担う部位」を問うだけなので全体値は不要だが、可動域の暗記問題では参考可動域の60度を答える。また環椎後頭関節(第1頸椎と後頭骨)は顆状関節でうなずき動作(屈伸)が主体であり、回旋はほとんど起こらない。「回旋は環軸関節、うなずきは環椎後頭関節」と役割で分けて押さえるとよい。

✓ 1. 正しい
第1頸椎~第2頸椎
環軸関節のことで、歯突起を軸とする正中環軸関節(車軸関節)と左右の外側環軸関節からなる。片側約45度を単独で生み出し、頸部回旋の最大の担い手である。
✗ 2. 誤り
第3頸椎〜第4頸椎
下位頸椎の椎間関節面は約45度傾いており、回旋には側屈が伴って1椎間あたりの回旋角は数度にとどまる。回旋の主役にはならない。
✗ 3. 誤り
第4頸椎〜第5頸椎
同様に回旋量は小さい。なお屈曲・伸展の可動域は中下位頸椎(C4/5、C5/6付近)で大きく、変性も生じやすい部位だが、回旋の大部分を担う部位ではない。
✗ 4. 誤り
第5頸椎〜第6頸椎
この高位も回旋量は1椎間で数度程度である。下位頸椎全体を合わせても、環軸関節1か所の回旋量に及ばない。
ポイント
  • 頸部回旋の主役は環軸関節(C1/C2)。ここだけで片側約45度を生み、下位頸椎を合わせた分より大きい。
  • 構造の根拠は歯突起を軸とする正中環軸関節=車軸関節。輪をつくるのは環椎前弓と環椎横靱帯。
  • 暗記する参考可動域角度(日整会・日リハ医学会)では頸部回旋は片側60度。可動域の数値問題ではこちらを答える(運動学書の実測系では片側70〜90度と出典に幅がある)。
  • 環椎後頭関節(C0/C1)は顆状関節で、うなずき(屈伸)が主。回旋はほとんど起こらない。
  • C3以下は椎間関節面が約45度傾き、回旋には同側側屈が伴う(連結運動)。1椎間の回旋は数度。
  • 環椎横靱帯が破綻すると歯突起が後方の脊髄を圧迫しうるため、環軸関節は安定性の面でも重要。
比較表
部位関節の型主な運動回旋の目安(片側)
環椎後頭関節(C0/C1)顆状関節屈曲・伸展(うなずき)ほとんどなし
環軸関節(C1/C2)車軸関節+平面関節回旋約45度(頸部回旋の最大の担い手)
中下位頸椎(C3〜C7)椎間関節(関節面が約45度傾斜)屈伸・側屈・回旋(連結運動)1椎間で数度。合計しても環軸関節に及ばない
頸部回旋の全体値参考可動域角度(日整会・日リハ医学会)=60度(運動学書の実測系では70〜90度と出典に幅)
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