学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ34A111

理由で解く 柔道整復師

QJ34A111 運動学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問111
問題
膝関節の屈曲時に緊張するのはどれか。
選択肢
1 内側側副靱帯
2 外側側副靱帯
3 後十字靱帯
4 前十字靱帯
解答
正解3(後十字靱帯)
解説

後十字靱帯は膝関節の屈曲に伴って緊張が高まる。側副靱帯と前十字靱帯は伸展位で張り、屈曲すると緩む。

膝を伸ばしきった位置では内側・外側側副靱帯がともに緊張し、脛骨大腿関節は最も安定した締まりの位置となる。屈曲していくと、大腿骨顆の曲率半径の変化と付着部の位置関係の変化によって側副靱帯は弛緩し、屈曲位で内外反や下腿回旋の遊びが増える(膝屈曲位で下腿を回旋できるのはこのためである)。十字靱帯は前後方向の制動を担い、前十字靱帯は脛骨の前方移動を止めるため伸展位で、後十字靱帯は脛骨の後方移動を止めるため屈曲位で緊張が増す。この性質は徒手検査に直結しており、後十字靱帯を評価する後方引き出しテストやサギング(脛骨粗面の落ち込み)の観察は膝屈曲90度で行い、側副靱帯の外反・内反ストレステストは伸展位と屈曲30度の両方で比べると損傷の程度を見分けやすい。

✓ 3. 正しい
後十字靱帯
大腿骨内側顆の外側面から脛骨顆間後方へ走り、脛骨の後方移動を制動する。屈曲が深まるほど張力が増すため、後方引き出しテストやサギング徴候は膝屈曲90度で評価する。
✗ 1. 誤り
内側側副靱帯
外反ストレスを制動する靱帯で、伸展位で緊張し屈曲すると弛緩する。屈曲時に緊張する靱帯ではない。深層は内側半月と連結しており、外反強制で半月板とともに損傷しやすい。
✗ 2. 誤り
外側側副靱帯
内反ストレスを制動する索状の靱帯で、伸展位で緊張し、屈曲すると弛緩の程度がとくに大きい。膝屈曲位(あぐら位)で大腿骨外側上顆と腓骨頭の間に索として触れるのはそのためである。
✗ 4. 誤り
前十字靱帯
脛骨の前方移動を制動し、伸展位で緊張が最大になる。前方引き出しテスト(屈曲90度)やラックマンテスト(屈曲20〜30度)で評価するが、緊張が高まるのは伸展方向である。
ポイント
  • 屈曲で緊張=後十字靱帯。伸展で緊張=前十字靱帯・内側側副靱帯・外側側副靱帯。
  • 膝の締まりの位置は完全伸展位(+下腿外旋、終末回旋運動)。緩みの位置は屈曲約25〜30度。
  • 屈曲位で側副靱帯が緩むため、下腿の回旋は膝屈曲位でのみ可能になる。
  • 後十字靱帯損傷はサギング徴候と後方引き出しテスト(屈曲90度)で評価する。
  • 前十字靱帯は脛骨の前方移動、後十字靱帯は後方移動を止める、と「止める向き」で覚える。
比較表
靱帯制動する動き緊張が高まる肢位主な徒手検査
内側側副靱帯外反・過伸展伸展位外反ストレステスト(伸展位・屈曲30度)
外側側副靱帯内反伸展位内反ストレステスト
前十字靱帯脛骨の前方移動伸展位前方引き出しテスト、ラックマンテスト
後十字靱帯脛骨の後方移動屈曲位後方引き出しテスト、サギング徴候
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