学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ34A096

理由で解く 柔道整復師

QJ34A096 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問96
問題
心周期の等容性収縮期で正しいのはどれか。
選択肢
1 P 波が発生している。
2 第II心音が聞かれる。
3 房室弁が閉鎖している。
4 動脈圧は心室圧と等しい。
解答
正解3(房室弁が閉鎖している。)
解説

等容性収縮期は、房室弁が閉じてから動脈弁が開くまでの、心室の容積が変わらないまま内圧だけが上がる時期である。よって房室弁が閉鎖しているとする選択肢3が正しい。

心周期を圧の変化で追うと理解しやすい。心室が収縮を始めて心室内圧が心房内圧を上回った瞬間に房室弁(僧帽弁・三尖弁)が閉じ、これが第I心音として聴かれる。この時点では大動脈圧・肺動脈圧の方がまだ高いため動脈弁は閉じたままで、心室は入口も出口も閉ざされた密閉状態となる。血液は出入りできないので容積は一定のまま内圧だけが急上昇し、この時期を等容性収縮期とよぶ。心室内圧が動脈圧を超えると動脈弁が開いて駆出期に移り、このときには心室圧と動脈圧がほぼ等しくなる。駆出が終わり心室内圧が動脈圧を下回ると動脈弁が閉じ、これが第II心音で、続いて両方の弁が閉じたまま圧が下がる等容性弛緩期となる。心室内圧が心房内圧より低くなると房室弁が開き充満期に入る。「弁の開閉と心音、容積が変わるか変わらないか」を対応させて追うことがこの分野の攻略法である。

✓ 3. 正しい
房室弁が閉鎖している。
等容性収縮期は房室弁の閉鎖(第I心音)で始まり、動脈弁が開くまで続く。入口も出口も閉じているため容積が変わらず、内圧だけが急激に上昇する。
✗ 1. 誤り
P 波が発生している。
P波は心房の脱分極を表し、心房収縮=心室充満の最終段階に相当する。等容性収縮期は心室の脱分極を示すQRS波の直後にあたる時期である。
✗ 2. 誤り
第II心音が聞かれる。
第II心音は大動脈弁・肺動脈弁の閉鎖音で、駆出期の終わり、すなわち等容性弛緩期の始まりに聴かれる。等容性収縮期の始まりに聴かれるのは房室弁閉鎖による第I心音である。
✗ 4. 誤り
動脈圧は心室圧と等しい。
心室圧と動脈圧がほぼ等しくなるのは動脈弁が開いている駆出期である。等容性収縮期は動脈弁が閉じており、心室圧は動脈圧より低い状態から急上昇している最中である。
ポイント
  • 等容性収縮期=房室弁閉鎖(第I心音)から動脈弁開放まで。容積一定で内圧が急上昇する。
  • 第I心音=房室弁の閉鎖、第II心音=動脈弁の閉鎖。
  • 心室圧と動脈圧がほぼ等しいのは駆出期(動脈弁が開いている時期)。
  • P波=心房の脱分極(心房収縮)、QRS波=心室の脱分極で、等容性収縮期はQRSの直後。
  • 等容性弛緩期は動脈弁閉鎖から房室弁開放まで。ここでも容積は変わらない。
比較表
時期房室弁動脈弁心室容積目印
等容性収縮期不変第I心音で始まる、QRS直後
駆出期減少心室圧≒動脈圧
等容性弛緩期不変第II心音で始まる
充満期増加末期にP波(心房収縮)
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