学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §1 人体解剖学概説 / QJ34A051

理由で解く 柔道整復師

QJ34A051 解剖学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問51
問題
細胞活動に必要なエネルギーを供給する物質を産生するのはどれか。
選択肢
1 滑面小胞体
2 粗面小胞体
3 リソソーム
4 ミトコンドリア
解答
正解4(ミトコンドリア)
解説

細胞が使うエネルギー通貨はATPで、これを大量に作るのがミトコンドリアです。正解は4。

ミトコンドリアは外膜と内膜からなる二重膜構造をもち、内膜はひだ(クリステ)を作って表面積を稼いでいます。内部の基質(マトリックス)でクエン酸回路が回り、そこで取り出された電子が内膜の電子伝達系を流れることで、酸素を使って効率よくATPが合成されます(酸化的リン酸化)。心筋・骨格筋・肝細胞などエネルギー消費の激しい細胞ほど数が多いのが特徴です。細胞小器官の問題は「何を作る/何を壊す器官か」で仕分けると迷いません。

✓ 4. 正しい
ミトコンドリア
マトリックスと内膜で栄養素を段階的に酸化し、ATPを産生します。細胞活動のエネルギーを供給する物質=ATPを作る器官はこれだけです。
✗ 1. 誤り
滑面小胞体
リボソームが付かない管状の小胞体で、脂質やステロイドホルモンの合成、薬物の解毒、筋細胞ではカルシウムイオンの貯蔵(筋小胞体)を担います。ATPは作りません。
✗ 2. 誤り
粗面小胞体
表面にリボソームが付着し、分泌タンパク質や膜タンパク質の合成と折りたたみを行います。作る物質はタンパク質であって、エネルギー供給物質ではありません。
✗ 3. 誤り
リソソーム
加水分解酵素を詰めた袋で、取り込んだ異物や不要になった自己成分を分解する細胞内の消化器官です。分解でエネルギー源となる材料は出ますが、ATPそのものを産生する場ではありません。
ポイント
  • 細胞のエネルギー通貨はATP。産生の主役はミトコンドリア。
  • ミトコンドリアはマトリックスでクエン酸回路、内膜(クリステ)で電子伝達系。酸素を使う。
  • 小胞体は「粗面=タンパク質合成」「滑面=脂質・解毒・カルシウム貯蔵」と対で覚える。
  • リソソームは分解、ゴルジ装置は加工と輸送。作る・壊す・運ぶで役割を仕分ける。
  • 迷ったら「その器官の産物は何か」を口に出して確認する習慣をつける。
比較表
細胞小器官主な働き主な産物
ミトコンドリアクエン酸回路・電子伝達系(酸化的リン酸化)ATP
粗面小胞体リボソームでのタンパク質合成・折りたたみ分泌タンパク質・膜タンパク質
滑面小胞体脂質・ステロイド合成、解毒、Ca²⁺貯蔵脂質・ステロイドホルモン
リソソーム加水分解酵素による細胞内消化(分解産物)
ゴルジ装置糖鎖付加などの加工・選別・輸送分泌顆粒
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