学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §13 第5中手骨頸部骨折の固定 / QJ34A013

理由で解く 柔道整復師

QJ34A013 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問13
問題
第5中手骨頸部骨折の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 PIP 関節は軽度屈曲位とする。
2 手関節は軽度屈曲位とする。
3 前腕近位 1/3から固定する。
4 固定期間は7週とする。
解答
正解1(PIP 関節は軽度屈曲位とする。)
解説

第5中手骨頸部骨折の固定では、手関節を軽度背屈、MP関節を屈曲位とし、PIP・DIP関節は良肢位である軽度屈曲位に保ちます。正しいのは1です。

第5中手骨頸部骨折は握り拳で殴打したときに生じやすく、骨頭(遠位骨片)が掌側へ屈曲し、骨折部は背側に突出する背側凸の屈曲転位をとります。固定の要点は、この屈曲転位を戻す方向に保持しつつ、手の関節に拘縮を残さない肢位をとることです。手関節は軽度背屈位とし、MP関節は屈曲位にします。MP関節は屈曲位で側副靱帯が最も伸びた状態になるため、屈曲位で固定すると靱帯が短縮した状態で癒着するのを防げます。一方でPIP・DIP関節は靱帯の緊張ではなく良肢位という別の理由から軽度屈曲位とし、無理な伸展を強制しないようにします。固定範囲は前腕遠位1/3から手部までで足り、期間はおおむね3〜4週です。固定中も母指と他指の運動を促し、腫脹や皮膚の状態を確認します。

✓ 1. 正しい
PIP 関節は軽度屈曲位とする。
PIP・DIP関節は、日常生活で使いやすく機能を損ないにくい肢位(良肢位)である軽度屈曲位に保つのが原則です。無理な伸展強制は避けます。なおMP関節を屈曲位にする理由(側副靱帯を緊張させて短縮位での癒着を防ぐ)とは機序が異なるので、混同しないようにします。
✗ 2. 誤り
手関節は軽度屈曲位とする。
手関節は軽度背屈位とします。掌屈位で固定すると手内在筋・外在筋のバランスが崩れ、握り動作の回復が遅れます。
✗ 3. 誤り
前腕近位 1/3から固定する。
骨折部の安定には前腕遠位1/3からの固定で足ります。近位1/3から固定すると肘に近い範囲まで不動となり、不要な可動域制限を生みます。
✗ 4. 誤り
固定期間は7週とする。
固定期間はおおむね3〜4週が目安です。7週は長すぎて手指の拘縮・筋萎縮を招くため、癒合の進み具合をみて早期の運動再開へつなげます。
ポイント
  • 第5中手骨頸部骨折は握り拳で殴打して生じ、骨頭(遠位骨片)が掌側へ屈曲して骨折部が背側に突出する(背側凸)変形をとる。
  • 固定肢位は手関節軽度背屈、MP関節屈曲位、PIP・DIP関節は軽度屈曲位。
  • MP関節を屈曲位にするのは側副靱帯を緊張(伸張)させ、短縮位での癒着を防ぐため。
  • PIP・DIP関節の軽度屈曲位は靱帯の理由ではなく良肢位としての設定。MPとは機序が別物と押さえる。
  • 固定範囲は前腕遠位1/3から手部まで。
  • 固定期間はおおむね3〜4週。長期固定は手指拘縮の原因になる。
比較表
部位・条件正しい設定そう設定する理由誤りやすい設定
手関節軽度背屈位手内在筋・外在筋のバランスを保つ軽度屈曲(掌屈)位
MP関節屈曲位側副靱帯を緊張(伸張)させ短縮位での癒着を防ぐ伸展位
PIP・DIP関節軽度屈曲位良肢位。伸展強制を避ける完全伸展位
固定範囲前腕遠位1/3から手部必要最小限の不動範囲にとどめる前腕近位1/3から
固定期間おおむね3〜4週癒合と拘縮予防のバランス7週
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