学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ33P079

理由で解く 柔道整復師

QJ33P079 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問79
問題
骨折と固定肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 スミス (Smith)前腕回外位、手関節軽度屈曲位・軽度尺屈位
2 コーレス(Colles)-前腕回内位、手関節軽度屈曲位・軽度尺屈位
3 ショウファー前腕回外位、手関節軽度伸展位・軽度橈屈位
4 背側バートン(Barton)-前腕回内位、手関節軽度伸展位・軽度橈屈位
解答
正解2(コーレス(Colles)-前腕回内位、手関節軽度屈曲位・軽度尺屈位)
解説

橈骨遠位端部骨折の固定肢位は「遠位骨片が転位した向きと反対側へ持っていく」が基本。コーレス骨折は背側・橈側転位なので、前腕回内位・手関節軽度屈曲(掌屈)位・軽度尺屈位で固定する。

橈骨遠位端部の骨折は、遠位骨片がどちらへ動くかによって固定肢位が決まる。コーレス骨折は手を背屈位でついて生じ、遠位骨片が背側・橈側へ転位して回外するため、外観はフォーク状変形・銃剣状変形を示す。整復後はこの転位を戻す向き、すなわち前腕回内位で手関節を軽度掌屈・軽度尺屈にして骨片を掌尺側へ押さえる。スミス骨折は逆に遠位骨片が掌側へ転位する(逆コーレス)ので、前腕回外位・手関節軽度背屈位で固定する。背側バートン骨折は関節面を含む背側骨片が背側へ転位するため、コーレスに準じた掌屈位固定になり、掌側バートン骨折は背屈位固定となる。ここまでは転位の向きを先に思い出し、その反対を答えるという手順で処理できる。ただしショウファー骨折(橈骨茎状突起骨折)だけは、骨片に付く靱帯の緊張で考える必要がある。この骨片は腕橈骨筋に引かれて近位・橈側へ動くが、手関節を尺屈位にすると橈側側副靱帯が緊張し、茎状突起の骨片を遠位・尺側方向へ引き戻して腕橈骨筋の近位牽引に対抗できる。逆に橈屈位では橈側側副靱帯が弛緩し、骨折面が離開してしまう。

✓ 2. 正しい
コーレス(Colles)-前腕回内位、手関節軽度屈曲位・軽度尺屈位
遠位骨片の背側・橈側転位を戻す向きの固定になっている。回内位で回外転位を、掌屈位で背側転位を、尺屈位で橈側転位をそれぞれ押さえる、という三方向の対応が揃っている。
✗ 1. 誤り
スミス (Smith)前腕回外位、手関節軽度屈曲位・軽度尺屈位
前腕回外位という点は妥当だが、スミス骨折は遠位骨片が掌側へ転位するので、手関節を屈曲(掌屈)位にすると転位を助長してしまう。軽度背屈位で固定する。
✗ 3. 誤り
ショウファー前腕回外位、手関節軽度伸展位・軽度橈屈位
橈骨茎状突起の骨片は腕橈骨筋に引かれて近位・橈側へ動く。ここで橈屈位にすると橈側側副靱帯が弛緩して骨片を引き戻す力が働かず、骨折面が離開してしまう。正しくは尺屈位で、橈側側副靱帯を緊張させて骨片を遠位・尺側方向へ引き戻し、腕橈骨筋の近位牽引に対抗する。
✗ 4. 誤り
背側バートン(Barton)-前腕回内位、手関節軽度伸展位・軽度橈屈位
背側バートン骨折は関節面を含む骨片が背側へ転位するため、コーレスに準じて手関節軽度掌屈位で固定する。伸展(背屈)位では背側転位が戻らない。
ポイント
  • 固定肢位の基本は「転位した向きの反対へ」。転位方向を先に想起する
  • コーレス骨折=遠位骨片が背側・橈側転位 → 前腕回内位・手関節軽度掌屈位・軽度尺屈位
  • スミス骨折=遠位骨片が掌側転位 → 前腕回外位・手関節軽度背屈位
  • 背側バートンはコーレスに準じ掌屈位、掌側バートンは背屈位
  • ショウファー骨折は靱帯の緊張で考える。手関節尺屈位で橈側側副靱帯を緊張させ、骨片を遠位・尺側へ引き戻して腕橈骨筋の近位牽引に対抗する(橈屈位では靱帯が弛緩し骨折面が離開)
比較表
骨折遠位骨片の転位前腕手関節固定肢位の根拠
コーレス背側・橈側回内位軽度掌屈・軽度尺屈転位の反対方向へ
スミス掌側回外位軽度背屈転位の反対方向へ
背側バートン背側(関節面を含む)回内位軽度掌屈転位の反対方向へ
掌側バートン掌側(関節面を含む)回外位軽度背屈転位の反対方向へ
ショウファー橈骨茎状突起が近位・橈側回外位尺屈橈側側副靱帯を緊張させ骨片を遠位・尺側へ引き戻す
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