学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ33P047

理由で解く 柔道整復師

QJ33P047 外科学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問47
問題
全身感染症の原因巣に対する治療で誤っているのはどれか。
選択肢
1 切開
2 排膿
3 ドレナージ
4 留置カテーテルの洗浄
解答
正解4(留置カテーテルの洗浄)
解説

全身感染症の治療の柱は、抗菌薬と並んで「原因巣(感染源)を断つ」ことです。膿は切開・排膿・ドレナージで体外に出しますが、感染した留置カテーテルは洗って使い続けるのではなく抜去します。

膿瘍の内部は血流が乏しく、静脈から投与した抗菌薬がほとんど届きません。しかも酸性・低酸素で白血球の働きも落ちるため、薬だけでは治りません。だから膿の貯留に対しては「出す」処置が必須で、これを感染源のコントロールと呼びます。一方、血管内カテーテルや尿道カテーテルの表面では細菌がバイオフィルムを作り、抗菌薬も生体防御も届かない避難所となります。この状態のカテーテルを洗浄すると、細菌の塊を血流や膀胱内へ押し出して菌血症を悪化させる危険があります。感染源と判断したら抜去し、必要なら部位を変えて入れ替えるのが原則です。

✓ 4. これが誤り(答え)
留置カテーテルの洗浄
感染したカテーテルはバイオフィルムのために内部を洗っても菌は残り、押し流された菌塊が血流に入って発熱・菌血症を悪化させます。とるべき対応は抜去です。抜去したカテーテル先端は培養に提出し、必要なら日をあけて別部位に入れ替え、判明した原因菌に合わせて抗菌薬を絞り込みます。
✗ 1. 適切な処置(答えではない)
切開
皮下や深部に膿が閉じ込められている状態では、切開して膿の逃げ道を作らない限り改善しません。切開により内圧が下がって疼痛が和らぎ、抗菌薬も届きやすくなります。
✗ 2. 適切な処置(答えではない)
排膿
膿を体外へ出すことで、菌の量と炎症性メディエーターを一気に減らせます。全身の発熱や炎症反応が速やかに軽快することが多く、感染源対策の中心的な手技です。
✗ 3. 適切な処置(答えではない)
ドレナージ
一度排膿しても膿腔が残れば再貯留します。ドレーンを留置して持続的に排出させ、排液の量と性状が落ち着いた時点で抜去します。近年は画像ガイド下の経皮的ドレナージも広く行われます。
ポイント
  • 全身感染症では抗菌薬だけでなく、原因巣の処理(感染源のコントロール)が必須。
  • 膿瘍内は血流が乏しく低酸素で、抗菌薬が届かない。切開・排膿・ドレナージで「出す」。
  • 留置カテーテルはバイオフィルムの温床。感染源と判断したら洗浄ではなく抜去・入れ替え。
  • 抜去した先端やドレーン排液は培養に提出し、原因菌に合わせて抗菌薬を絞る。
比較表
原因巣とるべき処置理由
皮下・深部の膿瘍切開・排膿血流が乏しく抗菌薬が届かない
膿の再貯留する腔ドレーン留置による持続排液一度出しても再びたまるため
感染した留置カテーテル抜去(必要なら部位を変えて入替)バイオフィルムは洗浄では除去できない
壊死組織デブリドマン菌の培地となり炎症を持続させる
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