学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ33P036

理由で解く 柔道整復師

QJ33P036 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問36
問題
出血傾向がみられないのはどれか。
選択肢
1 血友病
2 鉄欠乏性貧血
3 再生不良性貧血
4 特発性血小板減少性紫斑病
解答
正解2(鉄欠乏性貧血)
解説

出血傾向は血小板・凝固因子・血管の異常で起こる。鉄欠乏性貧血はヘモグロビン合成の障害であり、止血機構は保たれるため出血傾向をきたさない。

止血は、血小板が傷口をふさぐ一次止血と、凝固因子がフィブリンで固める二次止血の二段構えで成り立つ。血小板が減れば皮膚の点状出血や紫斑、粘膜出血が出やすく、凝固因子が欠ければ関節内や筋肉内といった深部の出血が起こる。この視点で選択肢を分けると答えが浮かび上がる。鉄欠乏性貧血では鉄が不足してヘムを作れず小球性低色素性貧血となるが、血小板数はむしろ増加傾向で凝固因子も正常である。むしろ月経過多や消化管出血など「出血が原因で起こる貧血」であり、出血は結果ではなく前提側にある点に注意したい。

✗ 1. 出血傾向はみられる(=設問の答えではない)
血友病
第VIII因子(血友病A)または第IX因子(血友病B)が欠乏するX連鎖劣性遺伝疾患。二次止血が障害され、関節内出血・筋肉内出血といった深部出血を繰り返す。関節内出血の反復は血友病性関節症をまねく。
✓ 2. 出血傾向はみられない(=設問の答え)
鉄欠乏性貧血
障害されるのはヘモグロビン合成であり、血小板・凝固因子は正常に働くため出血傾向は生じない。小球性低色素性貧血、易疲労感、スプーン状爪、異食症などがみられる。
✗ 3. 出血傾向はみられる(=設問の答えではない)
再生不良性貧血
造血幹細胞の障害で汎血球減少をきたす。血小板減少による紫斑・鼻出血に加え、白血球減少による易感染性、赤血球減少による貧血症状を伴う。
✗ 4. 出血傾向はみられる(=設問の答えではない)
特発性血小板減少性紫斑病
血小板に対する自己抗体により血小板が脾臓で破壊される。一次止血が障害され、点状出血・紫斑・鼻出血・歯肉出血が生じる。
ポイント
  • 出血傾向の原因は血小板・凝固因子・血管の異常。造血の材料不足では起こらない。
  • 血小板の異常=点状出血・紫斑・粘膜出血(表在性)。
  • 凝固因子の異常=関節内出血・筋肉内出血(深部性)。血友病が代表。
  • 鉄欠乏性貧血は小球性低色素性。血小板はむしろ増加傾向で出血傾向なし。
  • 出血傾向のある人や抗凝固薬を内服中の人には、強い圧迫や過度な手技で皮下出血・関節内出血を招かないよう、既往と内服を確認して医師と連携する。
比較表
疾患障害される止血機構出血傾向特徴的な出血
血友病凝固因子(VIII/IX)あり関節内・筋肉内の深部出血
再生不良性貧血血小板(汎血球減少)あり紫斑・鼻出血+易感染性
特発性血小板減少性紫斑病血小板あり点状出血・紫斑・粘膜出血
鉄欠乏性貧血ヘモグロビン合成(止血系は正常)なし─(出血はむしろ原因側)
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