学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §2 公衆衛生 / QJ33P007

理由で解く 柔道整復師

QJ33P007 衛生学・公衆衛生学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問7
問題
食中毒の届出が規定されているのはどれか。
選択肢
1 栄養士法
2 食育基本法
3 食品衛生法
4 食品安全基本法
解答
正解3(食品衛生法)
解説

食中毒患者を診断した医師に、直ちに保健所長への届出を義務づけているのは食品衛生法です。届出を起点に保健所が調査し、原因食品の特定と被害の拡大防止につなげます。

食中毒は、原因が特定されないまま同じ食品が流通し続ければ被害が一気に広がる性質をもちます。そこで食品衛生法は、食中毒患者またはその疑いのある者を診断した医師に、直ちに(24時間以内に)最寄りの保健所長へ届け出ることを義務づけています。届出を受けた保健所長は速やかに調査を行い、都道府県知事等へ報告します。調査では患者の喫食調査、原因施設の立入検査、検体の検査などが行われ、必要に応じて営業停止や食品の回収といった行政処分につながります。届出は「誰が悪かったかを探す」ためではなく、次の患者を出さないための公衆衛生上の初動です。届出内容には患者の氏名・所在地、食中毒の原因、発病年月日などが含まれます。似た名前の法律が並ぶ問題では、その法律が何を目的につくられたかを一言で言えるかどうかが決め手になります。

✓ 3. 正しい
食品衛生法
食品衛生法が、食中毒患者等を診断した医師の保健所長への届出義務を規定しています。この法律は飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康を保護することを目的とし、食品・添加物・器具容器包装の規格基準、営業許可、監視指導までを幅広く定めています。届出 → 保健所の調査 → 原因究明と拡大防止、という流れをセットで覚えます。
✗ 1. 誤り
栄養士法
栄養士法は、栄養士・管理栄養士の定義、免許、名称独占などを定める資格法です。人の資格を扱う法律であり、食中毒発生時の届出手続きは規定していません。
✗ 2. 誤り
食育基本法
食育基本法は、国民が健全な食生活を実践できるよう、食に関する知識と選択する力を育む食育を国民運動として推進するための基本理念を定めた法律です。教育・啓発の枠組みであり、届出義務のような個別の手続き規定はありません。
✗ 4. 誤り
食品安全基本法
食品安全基本法は、食品安全行政の基本理念とリスク分析(リスク評価・リスク管理・リスクコミュニケーション)の考え方を定め、内閣府に食品安全委員会を置くことを規定した基本法です。行政の枠組みを定めるもので、医師の届出義務は食品衛生法側の規定です。
ポイント
  • 食中毒の届出義務は食品衛生法。診断した医師が直ちに(24時間以内に)最寄りの保健所長へ届け出る。
  • 届出後の流れ:保健所長が調査 → 都道府県知事等へ報告 → 必要に応じ営業停止・回収などの措置。
  • 食品安全基本法=食品安全行政の基本理念とリスク分析、食品安全委員会(内閣府)の設置。
  • 食育基本法=食育の推進。栄養士法=栄養士・管理栄養士の資格。いずれも届出手続きは扱わない。
  • 紛らわしい法律は「その法律は何のためにあるか」を一言で言えるようにしておく。
比較表
法律ひとことで言うと
食品衛生法飲食に起因する衛生上の危害を防ぐ実務法。食中毒の届出、規格基準、営業許可
食品安全基本法食品安全行政の基本理念とリスク分析。食品安全委員会の設置
食育基本法食育の推進に関する基本理念
栄養士法栄養士・管理栄養士の資格と免許
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。