学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §9 腫瘍 / QJ33A127
理由で解く 柔道整復師
HER2の過剰発現は乳癌の増殖能の高さを反映し、本来は予後不良因子とされる。誤っているのは1。
乳癌は乳管や小葉の上皮から発生する腺癌で、ホルモン受容体(ER・PgR)とHER2の有無によって性格が大きく分かれる。HER2は細胞膜にある増殖因子受容体で、遺伝子増幅によって過剰に発現するとその癌は増殖が速く、転移・再発しやすい。ここで区別したいのが「予後因子(放っておいたときの悪さ)」と「効果予測因子(その薬が効くかどうか)」で、HER2陽性は予後不良因子であると同時に抗HER2薬(トラスツズマブなど)の効果予測因子でもある。したがって現在の治療成績は改善しているが、HER2陽性そのものが良好のしるしになるわけではない。ER・PgR陽性型は比較的おとなしく内分泌療法が奏効し、ER・PgR・HER2いずれも陰性のトリプルネガティブは化学療法が主体となる。
| サブタイプ | ER・PgR | HER2 | おおまかな予後 (治療を行わない場合) | 治療の柱 |
|---|---|---|---|---|
| ホルモン受容体陽性型 | 陽性 | 陰性 | 比較的良好 | 内分泌(ホルモン)療法 |
| ホルモン受容体陽性・HER2陽性型 | 陽性 | 陽性 | 中間 | 内分泌療法+抗HER2薬+化学療法 |
| HER2陽性型 | 陰性 | 陽性 | 不良 | 抗HER2薬+化学療法 |
| トリプルネガティブ | 陰性 | 陰性 | 不良 | 化学療法 |
※「おおまかな予後」列は予後因子としての評価(治療を行わなかった場合の見通し)だけを示している。HER2陽性は予後不良因子であると同時に抗HER2薬の効果予測因子でもあり、抗HER2薬を含む治療によって予後は大きく改善する。予後因子(放っておいたときの悪さ)と効果予測因子(その薬が効くかどうか)は別の軸として分けて覚えること。
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