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理由で解く 柔道整復師

QJ33A126 病理学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問126
問題
腫瘍マーカーと腫瘍の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 AFP- 絨毛癌
2 CA19-9-胆管癌
3 CEA喉頭癌
4 PSA•膵癌
解答
正解2(CA19-9-胆管癌)
解説

CA19-9は膵癌・胆道癌をはじめとする膵胆道系の腺癌で高率に上昇する糖鎖抗原である。正しい組合せは2。

腫瘍マーカーは臓器との対応を丸暗記するより、「どの細胞が作る物質か」から辿ると誤りが減る。AFP(α-フェトプロテイン)は胎児期の肝細胞と卵黄嚢が作る蛋白なので、肝細胞癌と卵黄嚢腫瘍で上昇する。hCGは胎盤の絨毛が作るホルモンなので絨毛癌や胞状奇胎で上昇する。CEAとCA19-9はいずれも消化器系の腺上皮が出す糖蛋白・糖鎖抗原で、CEAは大腸癌を筆頭に広い範囲の腺癌で、CA19-9は膵・胆道で特に高値になる。PSAは前立腺上皮が分泌する酵素なので前立腺癌に対応する。なお腫瘍マーカーは単独で癌を確定できる検査ではなく、治療効果の判定や再発のモニタリングにこそ強みがあり、良性疾患や喫煙、加齢でも上昇しうることを押さえておきたい。

✓ 2. 正しい
CA19-9-胆管癌
CA19-9は膵癌・胆管癌・胆嚢癌など膵胆道系の腺癌で高率に上昇し、進行度や治療効果の指標として用いられる。ただしルイス式血液型が陰性の人(日本人の1割弱)では癌があっても産生されず上昇しないこと、胆管炎・閉塞性黄疸・膵炎など良性の胆道膵疾患でも上がることに注意する。値だけで判断せず、画像所見や臨床経過と合わせて解釈するのが実際の使い方である。
✗ 1. 誤り
AFP- 絨毛癌
絨毛癌に対応するのはhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)。AFPが上昇するのは肝細胞癌と卵黄嚢腫瘍(ヨークサック腫瘍)で、どちらも胎児期に由来する蛋白という点は共通するが、産生する細胞が異なる。
✗ 3. 誤り
CEA喉頭癌
CEA(癌胎児性抗原)は大腸癌を代表として胃癌・膵癌・肺腺癌・乳癌など腺癌で上昇する。喉頭癌は大部分が扁平上皮癌であり、対応するマーカーはSCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)である。
✗ 4. 誤り
PSA•膵癌
PSA(前立腺特異抗原)は前立腺癌のマーカーで、前立腺肥大症や前立腺炎、直腸診・射精の後にも上昇しうる。膵癌で用いられるのはCA19-9のほかCEA、SPan-1、DUPAN-2などである。
ポイント
  • AFP=肝細胞癌・卵黄嚢腫瘍/hCG=絨毛癌・胞状奇胎。どちらも胎児性だが産生細胞が違う。
  • CA19-9=膵癌・胆道癌。ルイス式血液型陰性者では上昇しない点が要注意。
  • CEA=大腸癌をはじめとする腺癌に広く。臓器特異性は低い。
  • PSA=前立腺癌。SCC抗原=扁平上皮癌(喉頭・食道・子宮頸部・肺扁平上皮癌)。
  • 腫瘍マーカーは確定診断ではなく、治療効果判定・再発モニタリングが本領。良性疾患でも上がる。
比較表
腫瘍マーカー対応する腫瘍由来・覚え方
AFP肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍胎児期の肝細胞・卵黄嚢が作る蛋白
hCG絨毛癌、胞状奇胎胎盤の絨毛が作るホルモン
CA19-9膵癌、胆管癌・胆嚢癌膵胆道系腺癌の糖鎖抗原
CEA大腸癌ほか各種の腺癌癌胎児性抗原。腺癌に広く、臓器特異性は低い
PSA前立腺癌前立腺上皮が分泌する酵素
SCC抗原喉頭癌・食道癌・子宮頸癌など扁平上皮癌扁平上皮由来の癌に対応
CA125卵巣癌体腔上皮由来。子宮内膜症でも上昇
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