学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §14 感覚の生理 / QJ33A089

理由で解く 柔道整復師

QJ33A089 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問89
問題
視覚で正しいのはどれか。
選択肢
1 黄斑部には視覚がない。
2 明順応には数十分を必要とする。
3 近視では網膜の後方で焦点を結ぶ。
4 杆体の視物質はロドプシンである。
解答
正解4(杆体の視物質はロドプシンである。)
解説

杆体(かんたい)に含まれる視物質はロドプシンである。薄暗い場所でわずかな光を検出する役割を担う。

網膜の視細胞には杆体と錐体の2種類がある。杆体は光に対する感度が非常に高く、暗い場所で働くが色の区別はできない。その視物質であるロドプシンは、ビタミンAから作られるレチナールとオプシンというタンパク質が結合したもので、光が当たると分解(褪色)し、その変化が視細胞の過分極として伝えられる。ビタミンA不足で夜盲症が起こるのは、この材料が足りなくなるためである。一方、錐体は明るい場所で働き、赤・緑・青に対応する3種類の視物質をもつため色覚と細かい形の識別を担う。明暗の順応も視物質で説明でき、暗順応はロドプシンの再合成に時間がかかるため数十分を要するのに対し、明順応は分解が速いので1分前後で済む。

✓ 4. 正しい
杆体の視物質はロドプシンである。
ロドプシン=レチナール(ビタミンA由来)+オプシン。杆体は暗所視と明暗の識別を担い、網膜周辺部に多く分布する。
✗ 1. 誤り
黄斑部には視覚がない。
逆である。黄斑部の中心窩は錐体が最も密に集まり、視力が最も高い部位。視覚がないのは視神経乳頭(マリオット盲点)で、ここには視細胞が存在しない。
✗ 2. 誤り
明順応には数十分を必要とする。
数十分かかるのは暗順応のほうである。ロドプシンの再合成に時間を要するため。明順応はロドプシンが速やかに分解されるので、およそ1分前後で完了する。
✗ 3. 誤り
近視では網膜の後方で焦点を結ぶ。
近視は眼軸が長い、あるいは屈折力が強すぎるため、網膜の前方で像を結ぶ。矯正には凹レンズを用いる。網膜の後方で結ぶのは遠視で、こちらは凸レンズで矯正する。
ポイント
  • 杆体=暗所視・明暗識別、視物質はロドプシン(レチナール+オプシン)。網膜周辺部に多い。
  • 錐体=明所視・色覚・高い視力、赤緑青の3種の視物質をもつ。中心窩に密集する。
  • 暗順応は数十分(ロドプシンの再合成に時間がかかる)、明順応は約1分。時間の長短が逆に出題されやすい。
  • 近視は網膜の前方で結像し凹レンズで矯正、遠視は後方で結像し凸レンズで矯正。
  • 視力が最も高いのは中心窩、視細胞がなく見えないのは視神経乳頭(盲点)。位置と役割をセットで覚える。
比較表
杆体錐体
働く明るさ暗所(暗所視)明所(明所視)
視物質ロドプシン(1種類)赤・緑・青に対応する3種類
色覚なしあり
感度・解像度感度が高く解像度は低い感度は低く解像度が高い
分布網膜周辺部に多い中心窩に密集
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