学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §5 呼吸器系 / QJ33A066

理由で解く 柔道整復師

QJ33A066 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問66
問題
胸膜腔の説明で正しいのはどれか。
選択肢
1 肺と肺胸膜の間
2 左右の肺胸膜の間
3 左右の壁側胸膜の間
4 肺胸膜と壁側胸膜の間
解答
正解4(肺胸膜と壁側胸膜の間)
解説

胸膜腔は肺胸膜(臓側胸膜)と壁側胸膜の間の閉じた隙間で、正解は 4 である。

胸膜は1枚の漿膜が肺門で折り返してできた袋で、肺の表面を直接おおう部分を肺胸膜(臓側胸膜)、胸壁・横隔膜・縦隔の内面をおおう部分を壁側胸膜という。この2枚の間の閉鎖腔が胸膜腔で、内部にはごく少量(数mL程度)の漿液(胸膜液)しかなく、内圧は大気圧より低い陰圧に保たれている。この陰圧のおかげで、肺は自らの弾性で縮もうとしながらも胸壁に張り付いたままとなり、胸郭が広がれば受動的に膨らむ。胸膜腔は左右それぞれ独立した袋なので、左右がつながることはなく、片側の気胸が直ちに反対側に及ぶこともない。壁側胸膜が接する肋骨横隔洞(肋横隔洞)は最も深い部分で、胸水はここに貯留しやすく、胸腔穿刺の部位としても意識される。

✓ 4. 正しい
肺胸膜と壁側胸膜の間
胸膜腔は肺胸膜(臓側胸膜)と壁側胸膜にはさまれた閉鎖腔で、少量の漿液と陰圧によって2枚の膜がすべりながら密着している。この陰圧が失われる(胸壁や肺に穴が開いて空気が入る)と肺は弾性で縮み、気胸となる。
✗ 1. 誤り
肺と肺胸膜の間
肺胸膜は肺の表面に直接密着しており、間に隙間はない。肺実質と肺胸膜の間に空間があるという構造にはならない。
✗ 2. 誤り
左右の肺胸膜の間
左右の肺胸膜は縦隔をはさんで離れており、直接向かい合ってはいない。胸膜腔は左右それぞれの肺を包む別々の袋であり、両者が連続することはない。
✗ 3. 誤り
左右の壁側胸膜の間
左右の壁側胸膜(縦隔胸膜)の間の空間は縦隔であり、心臓・大血管・食道・気管・胸腺などが入っている。胸膜腔とは別の区画である。
ポイント
  • 胸膜腔=肺胸膜(臓側)と壁側胸膜の間。少量の漿液と陰圧が特徴。
  • 陰圧が肺を胸壁に追随させる。空気が入ると肺が縮んで気胸になる。
  • 胸膜腔は左右独立。左右の壁側胸膜の間は縦隔で、心臓・大血管・食道などが入る。
  • 壁側胸膜は肋骨胸膜・横隔胸膜・縦隔胸膜・胸膜頂に区分される。
  • 最深部の肋骨横隔洞は胸水がたまりやすい。呼吸困難や打診の濁音があれば胸部画像で確認する。
比較表
用語内容
肺胸膜(臓側胸膜)肺の表面に密着する漿膜。肺門で壁側胸膜に移行する
壁側胸膜胸壁・横隔膜・縦隔の内面をおおう漿膜(肋骨胸膜・横隔胸膜・縦隔胸膜・胸膜頂)
胸膜腔両者の間の閉鎖腔。少量の漿液を入れ、陰圧。左右別々
縦隔左右の縦隔胸膜にはさまれた区画。心臓・大血管・気管・食道・胸腺など
肋骨横隔洞肋骨胸膜と横隔胸膜の移行部にある深い陥凹。胸水が貯留しやすい
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