学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §1 人体解剖学概説 / QJ33A053

理由で解く 柔道整復師

QJ33A053 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問53
問題
内胚葉に由来するのはどれか。
選択肢
1 気管
2 心臓
3 腎臓
4 脊髄
解答
正解1(気管)
解説

内胚葉は消化管とその派生物(呼吸器・肝臓・膵臓など)の上皮をつくる。選択肢のうち内胚葉に由来するのは気管で、正解は 1 である。

受精後3週ごろ、胚盤は外胚葉・中胚葉・内胚葉の三層に分かれる。外胚葉は体の外側と接する部分——表皮とその付属器、および神経管に由来する中枢神経(脳・脊髄)や神経堤由来の末梢神経・副腎髄質——をつくる。中胚葉は体を支え動かし循環させる部分——骨・軟骨・骨格筋・心臓を含む循環器・血液・腎臓・生殖腺——をつくる。内胚葉は体の内側の管、すなわち原腸に由来する消化管上皮と、そこから芽を出して発生する呼吸器上皮・肝臓・膵臓・甲状腺・上皮小体・胸腺の上皮をつくる。気管と肺は前腸の腹側にできた喉頭気管溝(肺芽)が伸びたものなので、その上皮と腺は内胚葉由来である。なお気管の軟骨・平滑筋・結合組織は周囲の中胚葉(臓側中胚葉)由来で、「器官は複数の胚葉が組み合わさってできる」点も押さえておきたい。

✓ 1. 正しい
気管
気管は前腸(内胚葉性の原腸)の腹側壁から生じた喉頭気管憩室(肺芽)が下方へ伸びて分岐したもので、その上皮(多列線毛上皮)と気管腺は内胚葉に由来する。呼吸器が「消化管の枝分かれ」から生じることを知っていれば、気管・気管支・肺胞上皮=内胚葉と一続きで整理できる。
✗ 2. 誤り
心臓
心臓は中胚葉由来である。臓側中胚葉に生じた心臓原基(心内膜管)が癒合して心筒となり、ループを描いて心房・心室に分かれる。血管・血液・リンパ管も同じ中胚葉由来。
✗ 3. 誤り
腎臓
腎臓は中胚葉、なかでも中間中胚葉に由来する。前腎・中腎を経て後腎が最終的な腎臓となる。生殖腺や生殖管も同じ中間中胚葉系である。
✗ 4. 誤り
脊髄
脊髄は外胚葉由来である。背側の外胚葉が肥厚して神経板となり、これが陥入して神経管を形成し、頭側が脳、尾側が脊髄になる。脳・脊髄・網膜・下垂体後葉が外胚葉(神経外胚葉)由来である点も併せて覚える。
ポイント
  • 内胚葉=「体の内側の管とその枝」。消化管上皮、呼吸器上皮、肝臓・膵臓・甲状腺・上皮小体・胸腺の上皮。
  • 中胚葉=「支える・動かす・巡らせる」。骨、軟骨、骨格筋、心臓・血管・血液、腎臓、生殖腺、漿膜。
  • 外胚葉=「外側と神経」。表皮と付属器、脳・脊髄、末梢神経、副腎髄質、下垂体後葉、水晶体・網膜。
  • 呼吸器は前腸から派生するので、消化器とセットで内胚葉に分類すると混乱しない。
  • 一つの器官でも上皮は内胚葉、支持組織は中胚葉というように胚葉が分かれる。問われているのがどの成分かを確認する。
比較表
胚葉主な派生物選択肢との対応
外胚葉表皮・毛・爪・汗腺、脳・脊髄、末梢神経、副腎髄質、下垂体後葉、網膜・水晶体、エナメル質脊髄
中胚葉骨・軟骨・骨格筋・平滑筋、心臓・血管・血液・リンパ、腎臓・尿管、生殖腺、漿膜、真皮心臓、腎臓
内胚葉消化管上皮、肝臓・胆嚢・膵臓、呼吸器(喉頭以下)の上皮、甲状腺・上皮小体・胸腺の上皮、膀胱・尿道の上皮気管
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