学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §11 コーレス(Colles)骨折の診察および整復 / QJ33A009

理由で解く 柔道整復師

QJ33A009 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問9
問題
コーレス (Colles)骨折の牽引直圧整復法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 転位軽度な骨折に対して行う。
2 遠位骨片背側から圧をかける。
3 遠位骨片を過伸展させる。
4 遠位骨片を回内させる。
解答
正解3(遠位骨片を過伸展させる。)
解説

牽引直圧整復法は、転位の軽いコーレス骨折に対して末梢牽引を保ちつつ遠位骨片を背側から掌側へ、橈側から尺側へ押し戻し、回内を加える方法。「過伸展させる」のは屈曲整復法の操作なので、3が答え(誤りの記述)。

コーレス骨折(橈骨遠位端伸展型骨折)では、遠位骨片が背側・橈側へ転位し、短縮するとともに回外(前腕の回旋方向のずれ)を生じる。牽引直圧整復法では、前腕を回内位に保ちながら末梢牽引を加え、術者の母指で遠位骨片の背側から直接圧を加えて掌側へ、同時に橈側から尺側へ圧迫し、回内方向へ戻していく。これに対し屈曲整復法(牽引屈曲整復法)は転位が高度な場合に用い、いったん手関節を背屈(過伸展)させて骨折面のかみ合わせを外し、骨片同士を合わせたうえで一気に掌屈・尺屈・回内させる。「過伸展」は屈曲整復法を示すキーワードであり、両者を分けて覚えたい。整復後は掌屈・尺屈・回内位で固定し、手指の自動運動を促しながら、腫脹、母指から環指橈側のしびれ(正中神経症状)、指の色調を繰り返し確認する。

✓ 3. これが答え(記述が誤り)
遠位骨片を過伸展させる。
いったん背屈を強める(過伸展させる)操作は屈曲整復法のもの。牽引直圧整復法では、背側から掌側へ直接圧を加えることで転位を戻すため、過伸展は加えない。転位が軽度だからこそ、余計な操作を挟まずに直圧で整える。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
転位軽度な骨折に対して行う。
牽引直圧整復法は転位が軽度な例に適する。転位が高度で嵌入している例では、直圧だけでは戻らないため屈曲整復法を選ぶ。適応の使い分けとして正しい。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
遠位骨片背側から圧をかける。
遠位骨片は背側へ転位しているので、背側から掌側へ押し戻すのがこの方法の中心操作。名称の「直圧」がそのままこの操作を指している。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
遠位骨片を回内させる。
遠位骨片は回外方向へ転位しているため、これを戻すには回内を加える。背側→掌側、橈側→尺側の圧と合わせ、三方向の転位を同時に整える操作になる。
ポイント
  • コーレス骨折の遠位骨片の転位:背側転位・橈側転位・短縮転位・回外転位(前腕の回旋方向のずれ)。
  • 背屈(伸展)転位は回外転位とは別の要素。回外=前腕の回旋、背屈=手関節の伸展方向で、混同しない。
  • 牽引直圧整復法=転位軽度。末梢牽引+背側から掌側への直圧+橈側から尺側への圧+回内。
  • 屈曲整復法=転位高度。いったん過伸展 → 掌屈・尺屈・回内。「過伸展」はこちらのキーワード。
  • 整復後の固定肢位は掌屈・尺屈・回内位。
  • 固定後は手指の自動運動を促しつつ、腫脹・正中神経症状(母指〜環指橈側のしびれ)・指の色調を継続観察する。
比較表
項目牽引直圧整復法屈曲整復法
適応転位が軽度転位が高度・嵌入例
過伸展の操作行わないいったん背屈(過伸展)させる
主な操作末梢牽引+背側からの直圧過伸展で骨折面を合わせてから一気に掌屈
共通する仕上げ尺屈・回内を加え、掌屈・尺屈・回内位で固定
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