学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §14 疾患別各論 神経・筋疾患 / QJ32P063

理由で解く 柔道整復師

QJ32P063 整形外科学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問63
問題
胸郭出口症候群の誘発テストでないのはどれか。
選択肢
1 ジャクソン
2 モーリー
3 ライト
4 エデン
解答
正解1(ジャクソン)
解説

ジャクソンテストは頸椎症性神経根症を調べる椎間孔圧迫テストであり、胸郭出口症候群の誘発テストではない。したがってこれが設問の答えになる。

胸郭出口症候群は、鎖骨下動静脈と腕神経叢が上肢へ向かう途中の3か所、すなわち①斜角筋三角(前斜角筋と中斜角筋と第1肋骨の間)、②肋鎖間隙(鎖骨と第1肋骨の間)、③小胸筋下(烏口突起の下)で圧迫される病態である。誘発テストはこの3か所と一対一で対応しているため、狭くなる場所を思い浮かべれば手技が自然に導ける。モーリーテストは斜角筋三角を直接圧迫して放散痛をみるもの、アドソンテストは頸部を患側へ回旋・伸展させて斜角筋三角を狭めるもの、エデンテスト(肋鎖テスト)は胸を張って肩を後下方に引き肋鎖間隙を狭めるもの、ライトテスト(過外転テスト)は肩を外転外旋して小胸筋下を狭めるものである。いずれも橈骨動脈拍動の減弱・消失や上肢のしびれの再現を陽性とする。一方ジャクソンテストは、頸部を後屈させ頭頂部から軸圧を加えて椎間孔を狭め、上肢への放散痛を誘発する検査で、スパーリングテストとともに神経根症の評価に用いる。上肢のしびれを訴える患者では、この両群を組み合わせて絞扼部位の見当をつける。

✓ 1. これが答え(胸郭出口症候群の誘発テストではない)
ジャクソン
ジャクソンテストは頸部を後屈させ、頭頂部から下方に圧を加えて椎間孔を狭め、上肢への放散痛を誘発する検査である。頸椎症性神経根症や頸椎椎間板ヘルニアの評価に用いるもので、胸郭出口症候群の誘発テストではない。
✗ 2. 答えではない(胸郭出口症候群の誘発テストである)
モーリー
鎖骨上窩の斜角筋三角部を圧迫し、上肢への放散痛・しびれが誘発されれば陽性とする。斜角筋症候群型の絞扼をみるテストである。
✗ 3. 答えではない(胸郭出口症候群の誘発テストである)
ライト
過外転テストとも呼ばれ、肩関節を外転・外旋させて小胸筋下(烏口突起下)の通路を狭め、橈骨動脈拍動の減弱やしびれの出現をみる。過外転症候群型に対応する。
✗ 4. 答えではない(胸郭出口症候群の誘発テストである)
エデン
肋鎖テストとも呼ばれ、胸を張って肩を後下方に引かせ、鎖骨と第1肋骨の間(肋鎖間隙)を狭めて症状の再現をみる。肋鎖症候群型に対応する。
ポイント
  • 否定形の設問。「胸郭出口症候群の誘発テストでない」=ジャクソン(頸椎症性神経根症のテスト)。
  • 絞扼部位は3か所:斜角筋三角・肋鎖間隙・小胸筋下。テストはこの3か所に対応する。
  • 斜角筋三角=モーリー、アドソン/肋鎖間隙=エデン(肋鎖テスト)/小胸筋下=ライト(過外転テスト)。
  • 陽性所見は橈骨動脈拍動の減弱・消失、上肢のしびれ・だるさの再現。
  • 頸椎側のテスト=ジャクソン、スパーリング。上肢のしびれでは両群を組み合わせて絞り込む。
比較表
テスト対象疾患狭くなる場所手技の要点
モーリー胸郭出口症候群斜角筋三角鎖骨上窩を直接圧迫して放散痛をみる
アドソン胸郭出口症候群斜角筋三角頸部を患側へ回旋・伸展、深吸気で保持
エデン(肋鎖)胸郭出口症候群肋鎖間隙胸を張り肩を後下方へ引く
ライト(過外転)胸郭出口症候群小胸筋下肩を外転・外旋位に保持
ジャクソン頸椎症性神経根症椎間孔頸部後屈位で頭頂から軸圧を加える
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。