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理由で解く 柔道整復師

QJ32P042 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問42
問題
熱中症の症状でないのはどれか。
選択肢
1 頭痛
2 めまい
3 項部硬直
4 意識障害
解答
正解3(項部硬直)
解説

項部硬直は髄膜刺激症状であり、髄膜炎やくも膜下出血を疑う所見である。熱中症の症状ではないので、正解は3。

熱中症は高温環境で体温調節が破綻し、脱水と電解質異常、さらに高体温による臓器障害が進む病態である。重症度は3段階で整理する。I度は、めまい・立ちくらみ・失神(熱失神)、筋肉痛やこむら返り(熱けいれん)、大量の発汗。II度は、頭痛・嘔吐・倦怠感・虚脱感・集中力低下(熱疲労)。III度は、意識障害・けいれん・肝腎障害・体温40℃前後の高体温(熱射病)で、この段階では発汗が止まり皮膚が乾いて熱くなることもある。現場では、涼しい場所へ移し、衣服をゆるめ、頸部・腋窩・鼠径部など太い血管の走る部位を冷やす。意識がはっきりして自力で飲めるなら、経口補水液など塩分を含む水分を摂らせる。意識障害・けいれんがある、自力で水分が摂れない、症状が改善しない場合は、ためらわず救急要請して医療機関につなげる。

✓ 3. 症状でない(これが答え)
項部硬直
髄膜刺激症状であり、髄膜炎やくも膜下出血を疑う所見。熱中症の症状ではない。ただし高体温で意識障害を伴う患者では、これらの疾患との鑑別が必要になる。
✗ 1. 症状である(答えではない)
頭痛
脱水と循環不全により生じ、熱疲労(II度)の代表的症状である。嘔吐や倦怠感を伴えば医療機関受診の目安となる。
✗ 2. 症状である(答えではない)
めまい
発汗と皮膚血管の拡張により一過性に脳血流が低下して起こり、立ちくらみや失神(熱失神)としてI度でみられる。
✗ 4. 症状である(答えではない)
意識障害
最重症のIII度(熱射病)の中心症状。冷却を続けながらただちに救急搬送する必要がある。
ポイント
  • I度=めまい・立ちくらみ・失神(熱失神)、こむら返り(熱けいれん)、大量発汗
  • II度=頭痛・嘔吐・倦怠感・虚脱感(熱疲労)。受診の目安
  • III度=意識障害・けいれん・肝腎障害・高体温(熱射病)。救急搬送
  • 応急対応=涼所へ移動、衣服をゆるめる、頸部・腋窩・鼠径部を冷やす、塩分を含む水分
  • 項部硬直は髄膜刺激症状。髄膜炎・くも膜下出血を考える所見
比較表
重症度主な症状対応
I度(熱失神・熱けいれん)めまい、立ちくらみ、失神、こむら返り、大量発汗涼所へ移し冷却、塩分を含む水分を摂取
II度(熱疲労)頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力低下冷却と補水。改善しなければ受診
III度(熱射病)意識障害、けいれん、肝腎障害、高体温冷却しながらただちに救急要請
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