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理由で解く 柔道整復師

QJ32P007 衛生学・公衆衛生学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問7
問題
ウイルスが病原体であるのはどれか。
選択肢
1 足白癬
2 帯状疱疹
3 トキソプラズマ症
4 マイコプラズマ肺炎
解答
正解2(帯状疱疹)
解説

帯状疱疹の病原体は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV、ヒトヘルペスウイルス3型)である。

病原体は小さい順に、ウイルス<細菌<真菌<原虫<寄生虫(蠕虫)と並べて整理する。ウイルスは細胞構造をもたず、生きた細胞の中でしか増えられないため抗菌薬は無効で、治療には抗ウイルス薬を用いる。帯状疱疹は、幼少期の水痘(みずぼうそう)の後にVZVが脊髄後根神経節などに潜伏し、加齢・疲労・免疫低下をきっかけに再活性化して起こる。その神経が支配する皮膚領域(デルマトーム)に沿って、片側性・帯状に有痛性の紅斑と小水疱が出るのが特徴で、正中線を越えないことが診断の手がかりになる。治療が遅れると帯状疱疹後神経痛が残りやすいため、施術で来院した患者の体幹や背部に片側性の帯状の発疹と痛みを認めたら、施術を控えて速やかに医療機関への受診をすすめるのが適切な対応である。

✗ 1. 誤り
足白癬
足白癬(水虫)の病原体は真菌で、白癬菌(Trichophyton属)が角層に寄生して起こる。治療は抗真菌薬。高温多湿と閉鎖環境で増えるため、足をよく乾かすことが予防になる。
✓ 2. 正しい
帯状疱疹
病原体は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)というウイルス。初感染で水痘を起こし、その後神経節に潜伏して、再活性化により帯状疱疹となる。1つのウイルスが2つの病名をもつ代表例として押さえる。
✗ 3. 誤り
トキソプラズマ症
病原体は原虫のトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)。ネコ科動物を終宿主とし、加熱不十分な食肉やネコの糞便中のオーシストから感染する。妊婦が初感染すると経胎盤感染により先天性トキソプラズマ症を起こしうる。
✗ 4. 誤り
マイコプラズマ肺炎
病原体は細菌のマイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)。名前がウイルスと紛らわしいが細菌である。細胞壁をもたない特殊な細菌のため、細胞壁合成を阻害するβラクタム系(ペニシリン系・セフェム系)が効かず、マクロライド系などが用いられる。学童・若年者に多く、頑固な乾いた咳が続く。
ポイント
  • 帯状疱疹=水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)。初感染は水痘、神経節に潜伏し再活性化して帯状疱疹となる。
  • 皮疹はデルマトームに沿って片側性・帯状に出て正中を越えない。放置すると帯状疱疹後神経痛が残りやすい。
  • 足白癬=真菌(白癬菌)、トキソプラズマ症=原虫、マイコプラズマ肺炎=細菌。
  • マイコプラズマは細胞壁をもたない細菌なので、βラクタム系が無効でマクロライド系を使う。
  • 片側性の帯状の発疹と痛みを施術中に見つけたら、施術より医療機関への受診勧奨を優先する。
比較表
疾患病原体の種類病原体名
帯状疱疹ウイルス水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
足白癬真菌白癬菌(Trichophyton属)
トキソプラズマ症原虫Toxoplasma gondii
マイコプラズマ肺炎細菌(細胞壁を欠く)Mycoplasma pneumoniae
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