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理由で解く 柔道整復師

QJ32P002 衛生学・公衆衛生学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問2
問題
地域社会の環境衛生、保健医療活動および医療の水準を最もよく反映する健康指標はどれか。
選択肢
1 受療率
2 乳児死亡率
3 合計特殊出生率
4 年齢調整死亡率
解答
正解2(乳児死亡率)
解説

乳児死亡率は、その地域の環境衛生・母子保健・医療水準をまとめて映し出す代表的な健康指標である。

乳児死亡率は「その年の生後1年未満の死亡数 ÷ 出生数 × 1,000」で計算し、出生千対で表す。乳児は抵抗力が弱く、上下水道・住居・栄養といった環境衛生、妊婦健診や新生児医療などの母子保健サービス、周産期医療の質の影響を非常に受けやすい。つまり、その地域の衛生・医療の弱点がそのまま数値に出るため、国際比較でも地域比較でも「総合的な生活水準・保健医療水準の指標」として長く使われてきた。本問が出題された第32回(2024年実施)当時の日本の乳児死亡率は出生千対1.8前後で、世界でも最低水準にある。関連指標として、新生児死亡率(生後4週未満)、早期新生児死亡率(生後1週未満)、周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡)があり、死亡時期が新生児期に近づくほど先天的要因や分娩管理の影響が強く、乳児期後半に近づくほど生活環境や感染症の影響が強くなる。

✗ 1. 誤り
受療率
受療率は患者調査で得られる「ある日に医療機関を受療した推計患者数(人口10万対)」で、医療の“利用状況”を示す。医療機関の分布、受診しやすさ、住民の年齢構成に大きく左右されるため、衛生水準が高いか低いかを直接には表さない。
✓ 2. 正しい
乳児死亡率
乳児は環境や医療の質の影響をもっとも受けやすい集団であり、その死亡率は環境衛生・保健医療活動・医療水準を総合的に反映する。国際比較で各国の生活水準の指標として用いられるのもこのためである。
✗ 3. 誤り
合計特殊出生率
合計特殊出生率は15〜49歳の女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当する。人口の再生産力=少子化の指標であり、示しているのは人口動態の方向であって衛生・医療の水準ではない。
✗ 4. 誤り
年齢調整死亡率
年齢調整死亡率は基準人口を用いて年齢構成の違いをそろえた死亡率で、地域間・年次間の死亡水準を公平に比べるには優れた指標である。ただし全年齢・全死因をならすため、成人の悪性新生物や循環器疾患の影響が大きく、環境衛生や母子保健の質の変化を鋭敏には映さない。
ポイント
  • 乳児死亡率=生後1年未満の死亡数 ÷ 出生数 × 1,000(出生千対)。分母は人口ではなく出生数。
  • 環境衛生・母子保健・周産期医療の質を総合的に反映するため、生活水準の国際比較指標として使われる。
  • 第32回出題時(2024年)の日本は出生千対1.8前後で、世界最低水準。
  • 新生児死亡率(生後4週未満)・早期新生児死亡率(生後1週未満)は、より先天的要因・分娩管理の影響が強い。
  • 受療率=医療の利用状況、合計特殊出生率=人口の再生産力、年齢調整死亡率=年齢構成をそろえた死亡水準、と役割で区別する。
比較表
指標何を測るか主な出典
乳児死亡率環境衛生・母子保健・医療水準の総合指標人口動態統計
受療率医療の利用状況(人口10万対の推計患者数)患者調査
合計特殊出生率人口の再生産力(少子化の程度)人口動態統計
年齢調整死亡率年齢構成をそろえた死亡水準(地域間・年次間比較用)人口動態統計
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