学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §10 先天性異常 / QJ32A128

理由で解く 柔道整復師

QJ32A128 病理学概論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問128
問題
染色体数が正常なのはどれか。
選択肢
1 ダウン(Down)症候群
2 ターナー(Turner) 症候群
3 マルファン(Marfan) 症候群
4 クラインフェルター(Klinefelter) 症候群
解答
正解3(マルファン(Marfan) 症候群)
解説

マルファン症候群は染色体上の1つの遺伝子の変異による疾患で、染色体の本数は46本と正常である。他の3つはいずれも染色体の数そのものに異常がある。

遺伝性疾患は、染色体レベルの異常(数の異常=異数性、構造の異常)と、染色体の本数は正常なまま塩基配列だけが変わる単一遺伝子病に大別される。染色体の数の異常は減数分裂時の不分離によって生じることが多く、母体年齢の上昇が危険因子となる。ダウン症候群は21番染色体が3本になるトリソミーで47本、ターナー症候群はX染色体が1本しかないモノソミーで45本、クラインフェルター症候群はX染色体が余分にある47,XXYで47本である。これに対しマルファン症候群は15番染色体上のフィブリリン-1をコードする遺伝子の変異による常染色体顕性(優性)遺伝疾患で、染色体を数えても46本ある。「数える問題か、配列の問題か」で分ければ迷わない。

✓ 3. 正しい
マルファン(Marfan) 症候群
15番染色体上の遺伝子変異により、結合組織の弾性線維を構成するフィブリリン-1が異常となる単一遺伝子病で、核型は46本と正常である。高身長で四肢と指が細長く(クモ状指)、漏斗胸、脊柱側弯、関節の過可動性、水晶体亜脱臼をきたす。予後を左右するのは大動脈基部の拡張と大動脈解離であり、身体的特徴のある人に運動負荷を伴う施術を行う際は、循環器系の評価が済んでいるかを確認し、医師と連携して進める。
✗ 1. 誤り
ダウン(Down)症候群
21番染色体が3本になる21トリソミーで、核型は47,XX(XY),+21、染色体数は47本である。特徴的顔貌、筋緊張低下、知的障害、心内膜床欠損などの先天性心疾患、単一手掌屈曲線(横断掌線、猿線)を伴う。母体年齢の上昇とともに頻度が高くなる。
✗ 2. 誤り
ターナー(Turner) 症候群
X染色体が1本失われた45,Xで、染色体数は45本と少ない。外見は女性で、低身長、翼状頸、外反肘、性腺形成不全による原発性無月経と不妊、大動脈縮窄などを伴う。低身長には成長ホルモン、二次性徴には女性ホルモンによる治療が行われる。
✗ 4. 誤り
クラインフェルター(Klinefelter) 症候群
X染色体が1本余分な47,XXYで、染色体数は47本である。外見は男性で、高身長、四肢が長い体型、精巣の萎縮による無精子症と男性不妊、女性化乳房、体毛の減少がみられる。
ポイント
  • マルファン症候群は単一遺伝子病(フィブリリン-1の異常、常染色体顕性遺伝)。染色体数は46本で正常。
  • ダウン症候群=21トリソミー、47本。身体所見として単一手掌屈曲線(横断掌線、猿線)がみられる。
  • クラインフェルター症候群=47,XXY、47本。ターナー症候群=45,X、45本。数が「増える」だけでなく「減る」異常もある。
  • 染色体数の異常は減数分裂時の不分離が原因で、母体年齢の上昇が危険因子。
  • マルファン症候群で最も注意すべき合併症は大動脈基部拡張・大動脈解離。運動指導の前に医学的評価の確認を。
比較表
疾患核型染色体数主な特徴
ダウン症候群47,+21(21トリソミー)47本特徴的顔貌、筋緊張低下、知的障害、先天性心疾患、単一手掌屈曲線(猿線)
ターナー症候群45,X45本女性型、低身長、翼状頸、原発性無月経
マルファン症候群46,XX / 46,XY(正常)46本高身長、クモ状指、水晶体亜脱臼、大動脈基部拡張
クラインフェルター症候群47,XXY47本男性型、高身長、精巣萎縮・無精子症、女性化乳房
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