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理由で解く 柔道整復師

QJ31A128 病理学概論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問128
問題
妊娠中に感染すると奇形発生率が高いウイルスはどれか。
選択肢
1 風疹
2 ロタ
3 B型肝炎
4 インフルエンザ
解答
正解1(風疹)
解説

妊娠初期の風疹ウイルス感染は先天性風疹症候群を引き起こし、奇形の発生率が高い。予防接種による事前の免疫獲得が最大の対策となる。

妊娠初期は各臓器が形づくられる時期であり、この時期の感染は器官形成そのものを乱す。風疹ウイルスが経胎盤感染すると先天性風疹症候群として、白内障・緑内障などの眼症状、動脈管開存症や肺動脈狭窄などの心奇形、感音難聴という三つの徴候が代表的に現れ、妊娠週数が早いほど発生リスクが高い。妊娠中は生ワクチンを接種できないため、対策は妊娠前に行う必要があり、抗体価の確認と必要に応じたワクチン接種、そして配偶者や同居家族を含む周囲の人が免疫を獲得しておくことが実際的である。母子感染で胎児に影響を及ぼす病原体はTORCH(トキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスなど)としてまとめられており、あわせて押さえておきたい。

✓ 1. 正しい
風疹
妊娠初期の経胎盤感染により先天性風疹症候群を起こす。白内障などの眼症状、心奇形(動脈管開存症など)、感音難聴が三徴として知られ、奇形発生率が高いウイルスの代表である。
✗ 2. 誤り
ロタ
経口感染により乳幼児に急性胃腸炎(水様性下痢、嘔吐、脱水)を起こすウイルス。消化管の感染症であり、胎児奇形の原因としては挙げられない。
✗ 3. 誤り
B型肝炎
母子感染は主に分娩時の産道で成立し、児がキャリア化して将来の慢性肝炎・肝硬変・肝細胞癌につながることが問題となる。出生直後のワクチンと抗HBs人免疫グロブリンの投与で予防でき、催奇形性が問題となるウイルスではない。
✗ 4. 誤り
インフルエンザ
妊婦が罹患すると重症化しやすいため不活化ワクチンによる予防が勧められるが、胎児に高率に奇形を生じるウイルスとしては挙げられない。
ポイント
  • 先天性風疹症候群の三徴=白内障(眼症状)・心奇形(動脈管開存症など)・感音難聴。
  • 妊娠週数が早いほど(器官形成期ほど)リスクが高い。
  • 妊娠中は風疹の生ワクチンを接種できないため、妊娠前の抗体確認と接種、周囲の免疫獲得が対策。
  • 母子感染の病原体はTORCH(トキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス等)で整理。
  • B型肝炎の母子感染は主に産道感染。出生直後のワクチン+HBIGで予防でき、催奇形性とは区別する。
比較表
病原体感染の主な経路・時期胎児・新生児への影響
風疹ウイルス経胎盤(妊娠初期)先天性風疹症候群(白内障・心奇形・難聴)
トキソプラズマ経胎盤水頭症、脈絡網膜炎、頭蓋内石灰化
サイトメガロウイルス経胎盤小頭症、難聴、精神発達遅滞
単純ヘルペスウイルス産道感染が主新生児ヘルペス(皮膚・中枢神経・全身型)
B型肝炎ウイルス産道感染が主キャリア化(慢性肝炎・肝硬変・肝細胞癌のリスク)
ロタウイルス経口(出生後)乳幼児の急性胃腸炎
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