学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §8 免疫異常・アレルギー / QJ32A125

理由で解く 柔道整復師

QJ32A125 病理学概論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問125
問題
V型(刺激型反応)アレルギーに分類されるのはどれか。
選択肢
1 蕁麻疹
2 IgA腎症
3 異型輸血
4 バセドウ (Basedow)病
解答
正解4(バセドウ (Basedow)病)
解説

V型(刺激型)アレルギーは、自己抗体が受容体に結合して、その受容体を刺激し続けてしまう型である。TSH受容体に対する自己抗体が甲状腺を刺激するバセドウ病が代表例である。

クームスとゲルの分類では、I型からIII型は抗体(液性免疫)、IV型はT細胞(細胞性免疫)が主役である。I型は即時型で、IgEが肥満細胞に結合したところへ抗原が架橋してヒスタミンなどが放出され、蕁麻疹、花粉症、気管支喘息、アナフィラキシーを起こす。II型は細胞傷害型で、細胞表面の抗原にIgGやIgMが結合し、補体活性化や貪食によって細胞が壊される。III型は免疫複合体型で、抗原抗体複合体が組織に沈着して補体を活性化し、好中球が集まって組織を傷害する。IV型は遅延型で、感作T細胞とマクロファージが24〜48時間かけて反応する。V型はII型から派生した型で、抗体が細胞を壊すのではなく受容体に結合して刺激するという点が決定的な違いである。「壊すII型、刺激するV型」と対で覚えると迷わない。

✓ 4. 正しい
バセドウ (Basedow)病
TSH受容体に対する自己抗体(TRAb/TSAb)が甲状腺濾胞細胞のTSH受容体に結合し、TSHの代わりに受容体を刺激し続ける。その結果、下垂体からのTSHは抑制されているのに甲状腺ホルモンが過剰に産生される。びまん性甲状腺腫・眼球突出・頻脈のメルゼブルク三徴、体重減少、発汗過多、手指振戦がみられる。受容体を刺激するという機序ゆえにV型に分類される。
✗ 1. 誤り
蕁麻疹
I型(即時型)アレルギーである。IgEを介して肥満細胞が脱顆粒し、放出されたヒスタミンが血管透過性を高めて膨疹とかゆみを生じる。抗原曝露から数分〜数十分で出現し、アナフィラキシーへ進むこともあるため、呼吸困難や血圧低下を伴う場合は直ちに救急対応につなげる。
✗ 2. 誤り
IgA腎症
III型(免疫複合体型)アレルギーである。IgAを含む免疫複合体が糸球体のメサンギウム領域に沈着し、補体を活性化して腎炎を起こす。我が国で最も多い慢性糸球体腎炎で、上気道感染に伴う肉眼的血尿や、健診で見つかる顕微鏡的血尿・蛋白尿が契機となる。
✗ 3. 誤り
異型輸血
II型(細胞傷害型)アレルギーである。血液型不適合の輸血では、受血者のもつ抗Aまたは抗B抗体が輸血された赤血球膜の抗原に結合し、補体を活性化して血管内溶血を起こす。発熱、悪寒、腰背部痛、血色素尿、ショック、急性腎不全をきたす。細胞そのものが破壊される点がV型との決定的な違いである。
ポイント
  • I型(即時型・IgE):蕁麻疹、花粉症、気管支喘息、アナフィラキシー。
  • II型(細胞傷害型・IgG/IgM+補体):異型輸血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症。
  • III型(免疫複合体型):IgA腎症、急性糸球体腎炎、血清病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ。
  • IV型(遅延型・T細胞):ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶反応。24〜48時間で最大となる。
  • V型(刺激型):バセドウ病。抗受容体抗体が受容体を破壊せずに刺激する点でII型と分かれる。
比較表
別名主役機序代表疾患
I型即時型・アナフィラキシー型IgE・肥満細胞脱顆粒によるヒスタミン放出蕁麻疹、花粉症、気管支喘息
II型細胞傷害型IgG・IgM・補体細胞表面抗原への結合と細胞破壊異型輸血、自己免疫性溶血性貧血
III型免疫複合体型免疫複合体・補体・好中球複合体の組織沈着による傷害IgA腎症、血清病、全身性エリテマトーデス
IV型遅延型感作T細胞・マクロファージ細胞性免疫(24〜48時間)ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植拒絶
V型刺激型抗受容体抗体受容体を刺激して機能亢進バセドウ病
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