学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §2 運動器の構造と機能 / QJ32A110

理由で解く 柔道整復師

QJ32A110 運動学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問110
問題
単関節筋はどれか。
選択肢
1 大腿二頭筋
2 長内転筋
3 半膜様筋
4 大腿直筋
解答
正解2(長内転筋)
解説

長内転筋は股関節だけをまたぐ単関節筋である。ほかの3つは股関節と膝関節の2つをまたぐ二関節筋にあたる。

単関節筋は1つの関節だけを越える筋で、その関節の運動と安定化に専念できる。これに対して二関節筋は2つの関節を越えるため、一方の関節の肢位によってもう一方での筋の長さが変わり、発揮できる張力も変化する(長さ–張力関係)。そのため二関節筋のストレッチや筋力測定では、隣接関節の角度をそろえて実施することが必須になる。大腿部の代表的な二関節筋はハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)と大腿直筋、下腿では腓腹筋。逆に単関節筋の代表は内転筋群(長内転筋・短内転筋・大内転筋)、広筋群(内側広筋・外側広筋・中間広筋)、大腿二頭筋短頭、ヒラメ筋である。

✓ 2. 正しい
長内転筋
恥骨(恥骨結節の下方)から起こり大腿骨粗線内側唇に停止するため、越える関節は股関節だけの単関節筋。股関節の内転と屈曲補助に働く。
✗ 1. 誤り
大腿二頭筋
長頭が坐骨結節から起こり腓骨頭に停止するため、股関節と膝関節をまたぐ二関節筋である。短頭のみは大腿骨粗線から起こる単関節筋だが、「大腿二頭筋」としては二関節筋として扱う。
✗ 3. 誤り
半膜様筋
坐骨結節から脛骨内側顆に停止するハムストリングスの一員で、股関節伸展と膝関節屈曲の両方に働く二関節筋である。
✗ 4. 誤り
大腿直筋
下前腸骨棘から起こり膝蓋骨を介して脛骨粗面に停止する、大腿四頭筋で唯一の二関節筋。股関節屈曲と膝関節伸展に働く。
ポイント
  • 単関節筋=1関節のみを越える筋。長内転筋・大内転筋・広筋群・大腿二頭筋短頭・ヒラメ筋・大殿筋など。
  • 二関節筋=2関節を越える筋。ハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)・大腿直筋・縫工筋・薄筋・腓腹筋。
  • 大腿四頭筋のうち二関節筋は大腿直筋だけ。広筋群は膝関節のみの単関節筋。
  • 下腿三頭筋のうち腓腹筋は二関節筋、ヒラメ筋は単関節筋。膝屈曲位で足背屈すると主にヒラメ筋が伸張される。
  • 二関節筋を評価・治療するときは隣接関節の肢位を必ず統一する(例:ハムストリングス短縮の判定は股関節屈曲90度でSLRや膝伸展角度をみる)。
比較表
またぐ関節分類主な作用
長内転筋股関節のみ単関節筋股関節内転・屈曲補助
大腿二頭筋(長頭)股・膝二関節筋股関節伸展・膝関節屈曲+下腿外旋
半膜様筋股・膝二関節筋股関節伸展・膝関節屈曲+下腿内旋
大腿直筋股・膝二関節筋股関節屈曲・膝関節伸展
中間広筋など広筋群膝のみ単関節筋膝関節伸展
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