学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ32A108

理由で解く 柔道整復師

QJ32A108 運動学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問108
問題
伸筋共同運動で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 肩甲帯一挙上
2 肩関節-内転
3 前腕→一回外
4 手関節 -尺屈
解答
正解2(肩関節-内転)
解説

上肢の伸筋共同運動では肩関節は内転・内旋するため、「肩関節—内転」の組合せが正しい。

共同運動とは、脳卒中片麻痺の回復過程でみられる、複数の関節が分離せずに定型的なセットで動いてしまう現象をいう。上肢では2つのパターンがあり、屈筋共同運動は肩甲帯の挙上・後退、肩関節の外転・外旋、肘関節屈曲、前腕回外の組合せ、伸筋共同運動はその裏返しで肩甲帯の前方突出、肩関節の内転・内旋、肘関節伸展、前腕回内の組合せになる。「屈筋型は物を抱え込む形、伸筋型は前へ押し出す形」と動作のイメージで覚えると、成分を取り違えにくい。ブルンストローム・ステージIIIで共同運動が最も強く出現し、IV以降で分離運動が進むという流れも併せて押さえたい。

✓ 2. 正しい
肩関節-内転
伸筋共同運動の肩の成分は内転・内旋である。肩甲帯前突・肘伸展・前腕回内と一緒に現れ、腕を体幹に近づけながら前方へ押し出す形になる。
✗ 1. 誤り
肩甲帯 一挙上
肩甲帯の挙上・後退は屈筋共同運動の成分。伸筋共同運動では逆に肩甲帯が前方突出(外転)する。
✗ 3. 誤り
前腕→一回外
前腕回外は屈筋共同運動の成分である。伸筋共同運動では前腕は回内する。肘伸展と回内はセットで現れると覚えるとよい。
✗ 4. 誤り
手関節 -尺屈
上肢の共同運動パターンとして定型的に挙げられるのは肩甲帯・肩関節・肘関節・前腕の4つの成分で、手関節の尺屈はここに含まれない。手関節・手指の動きは分離運動の評価項目として別に確認する。
ポイント
  • 上肢・屈筋共同運動:肩甲帯挙上/後退・肩関節外転/外旋・肘関節屈曲・前腕回外。
  • 上肢・伸筋共同運動:肩甲帯前方突出・肩関節内転/内旋・肘関節伸展・前腕回内。
  • 下肢・屈筋共同運動:股関節屈曲/外転/外旋・膝関節屈曲・足関節背屈/内反。
  • 下肢・伸筋共同運動:股関節伸展/内転/内旋・膝関節伸展・足関節底屈/内反(足部内反は屈筋型・伸筋型の両方に現れる)。
  • ブルンストローム・ステージIIIで共同運動が最も明瞭になり、IV・Vで分離運動が拡大する。評価では「どの成分が混ざるか」を関節ごとに確認する。
比較表
部位屈筋共同運動伸筋共同運動
肩甲帯挙上・後退前方突出(外転)
肩関節外転・外旋内転・内旋
肘関節屈曲伸展
前腕回外回内
股関節屈曲・外転・外旋伸展・内転・内旋
膝関節屈曲伸展
足関節背屈・内反底屈・内反
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。