学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ32A100

理由で解く 柔道整復師

QJ32A100 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問100
問題
酸素分圧が最も高いのはどれか。
選択肢
1 吸気
2 肺胞気
3 動脈血
4 肺静脈血
解答
正解1(吸気)
解説

酸素分圧が最も高いのは吸気である。気道で加湿された吸気のPO₂はおよそ150 mmHgで、肺胞気(約100 mmHg)よりも高い。

乾燥大気のPO₂は大気圧760 mmHg×酸素濃度約21%でおよそ159 mmHgになる。吸い込まれた空気は気道で体温まで温められ水蒸気(37℃で47 mmHg)で飽和されるため、気管内でのPO₂はおよそ150 mmHgに下がる。さらに肺胞に達すると、肺胞内に残っている機能的残気量の空気と混ざり、かつ血液から出てきたCO₂が加わって薄められるため、肺胞気PO₂はおよそ100 mmHgとなる。肺胞と肺毛細血管の間ではガスが拡散平衡に近づくので、肺静脈血のPO₂は肺胞気とほぼ同じ約100 mmHgになる。ただし気管支静脈血などが左心系に少量混ざる生理的シャントのため、全身へ送り出される動脈血のPO₂はそれよりわずかに低いおよそ95〜100 mmHgとなる。「気道に入るほど、そして血液に移るほどPO₂は下がる」という一方向の流れを押さえれば順序で迷わない。

✓ 1. 正しい
吸気
加湿された吸気のPO₂はおよそ150 mmHg(乾燥大気では約159 mmHg)で、選択肢のなかで最も高い。ここを出発点として、肺胞→血液へと進むにつれてPO₂は段階的に下がっていく。
✗ 2. 該当しない
肺胞気
PO₂はおよそ100 mmHg。機能的残気量の空気との混合と、血液から拡散してきたCO₂(肺胞気PCO₂約40 mmHg)や水蒸気による希釈で、吸気より低くなる。
✗ 3. 該当しない
動脈血
PO₂はおよそ95〜100 mmHg。肺胞気とほぼ平衡に達するが、気管支静脈血などが混入する生理的シャントのぶんだけ肺胞気よりわずかに低くなる。
✗ 4. 該当しない
肺静脈血
肺でガス交換を終えて心臓へ戻る血液で、PO₂は肺胞気とほぼ等しいおよそ100 mmHg。名前は「静脈血」だが酸素に富む動脈血性の血液であり、いずれにせよ吸気の約150 mmHgには及ばない。
ポイント
  • PO₂の目安:乾燥大気 約159 → 加湿吸気 約150 → 肺胞気 約100 → 動脈血 約95〜100 mmHg。
  • 吸気から肺胞気で下がる理由は、水蒸気による希釈残気・CO₂との混合
  • 肺静脈血は肺胞気とほぼ平衡(約100 mmHg)。動脈血は生理的シャントでわずかに低い。
  • 混合静脈血のPO₂は約40 mmHg、PCO₂は約46 mmHg。組織で酸素を渡した後の値。
  • 肺胞気PCO₂は約40 mmHgで、動脈血PCO₂とほぼ等しい。
比較表
部位PO₂の目安PCO₂の目安
乾燥大気約159 mmHgほぼ0 mmHg
加湿された吸気(気管内)約150 mmHgほぼ0 mmHg
肺胞気約100 mmHg約40 mmHg
肺静脈血約100 mmHg約40 mmHg
動脈血約95〜100 mmHg約40 mmHg
混合静脈血約40 mmHg約46 mmHg
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