学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ32A097

理由で解く 柔道整復師

QJ32A097 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問97
問題
心周期の等容性心室収縮期で正しいのはどれか。
選択肢
1 房室弁が開いている。
2 動脈弁が開いている。
3 心室に血液が流入する。
4 心音図第I音が発生する。
解答
正解4(心音図第I音が発生する。)
解説

等容性心室収縮期は房室弁も動脈弁もすべて閉じ、心室の容積が変わらないまま内圧だけが急上昇する時期である。この期の始まりで房室弁が閉じるときに生じるのが心音の第I音である。

心周期は、①心房収縮期 →②等容性心室収縮期 →③駆出期 →④等容性心室弛緩期 →⑤充満(流入)期の順に進む。心室が収縮を始めると心室内圧が心房内圧を上回り、まず房室弁(僧帽弁・三尖弁)が閉じる。この閉鎖に伴う振動が第I音である。しかしこの時点では心室内圧はまだ大動脈圧・肺動脈圧に達していないため動脈弁は閉じたままで、血液はどこにも出入りできない。結果として容積一定のまま圧だけが立ち上がるので「等容性(等容量性)収縮期」と呼ばれる。心室内圧が動脈圧を超えた瞬間に動脈弁が開いて駆出期に移り、駆出が終わって心室内圧が動脈圧を下回ると動脈弁が閉じ(第II音)、等容性弛緩期に入る。第I音=房室弁閉鎖=収縮期の開始、第II音=動脈弁閉鎖=収縮期の終了と対にして覚えるとよい。

✓ 4. 正しい
心音図第I音が発生する。
第I音は房室弁の閉鎖によって生じる比較的低く長い音で、等容性心室収縮期の始まりと一致する。心尖部で最もよく聴取され、収縮期の開始を告げる指標となる。
✗ 1. 誤り
房室弁が開いている。
心室内圧が心房内圧を上回った時点で房室弁は閉じる。房室弁が開いているのは充満(流入)期から心房収縮期にかけてであり、この期には血液の逆流を防ぐため閉鎖している。
✗ 2. 誤り
動脈弁が開いている。
この時期の心室内圧はまだ大動脈圧・肺動脈圧に達しておらず、動脈弁は閉じたままである。動脈弁が開いた瞬間から駆出期となり、その時点で等容性収縮期は終わる。
✗ 3. 誤り
心室に血液が流入する。
すべての弁が閉じているため血液の出入りはなく、心室容積は一定に保たれる。心室への流入が起こるのは房室弁が開いている充満期・心房収縮期である。
ポイント
  • 等容性心室収縮期=全弁閉鎖・容積一定・内圧急上昇
  • 始まりの合図が第I音(房室弁閉鎖)、終わりは動脈弁が開いて駆出期へ移行する瞬間。
  • 第II音は動脈弁閉鎖音で、駆出期の終わり=等容性弛緩期の始まりに一致する。
  • 心周期:心房収縮期 → 等容性収縮期 → 駆出期 → 等容性弛緩期 → 充満期。
  • 血液が心室へ流入するのは房室弁が開いている充満期・心房収縮期のみ。
比較表
時期房室弁動脈弁心室容積心音
心房収縮期増加(第IV音)
等容性心室収縮期一定第I音
駆出期減少
等容性心室弛緩期一定第II音
充満(流入)期増加(第III音)
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