学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §25 大腿部打撲・肉ばなれ、大腿四頭筋、ハムストリングスの診察 / QJ32A027

理由で解く 柔道整復師

QJ32A027 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問27
問題
尻上がり現象がみられるのはどれか。
選択肢
1 中間広筋損傷
2 大腿直筋損傷
3 半腱様筋損傷
4 大腿二頭筋損傷
解答
正解2(大腿直筋損傷)
解説

尻上がり現象は、腹臥位で膝を他動的に屈曲していくと殿部が持ち上がってくる所見で、大腿直筋の短縮・攣縮を示します。

大腿四頭筋のうち大腿直筋だけが下前腸骨棘から起こる二関節筋で、股関節屈曲と膝関節伸展の両方に働きます。この筋が硬くなった状態で膝を曲げると、大腿直筋がそれ以上伸びられず、代わりに骨盤を前傾させて長さを稼ごうとするため、殿部が浮き上がって見えます。広筋群(内側広筋・外側広筋・中間広筋)は大腿骨から起こる単関節筋なので、短縮しても骨盤は動かず、この現象は起こりません。ハムストリングスは膝を曲げる側の筋なので、膝屈曲によって伸ばされることもありません。

✓ 2. 正しい
大腿直筋損傷
二関節筋である大腿直筋が短縮すると、膝屈曲時に骨盤が前傾して殿部が挙上します。損傷後の伸張性低下を確認する所見として、HBDの計測とあわせて用います。
✗ 1. 誤り
中間広筋損傷
中間広筋は大腿骨前面から起こる単関節筋で、股関節をまたぎません。短縮しても骨盤は動かないため、尻上がり現象は生じません。
✗ 3. 誤り
半腱様筋損傷
半腱様筋は膝を屈曲させる側の筋なので、膝屈曲では伸張されません。この筋の短縮はSLRの制限として現れます。
✗ 4. 誤り
大腿二頭筋損傷
大腿二頭筋も膝屈筋であり、膝屈曲で緊張が増すことはありません。したがって尻上がり現象の原因にはなりません。
ポイント
  • 尻上がり現象=腹臥位で膝を屈曲すると殿部が挙上する所見。大腿直筋の短縮を示す。
  • 理由は大腿直筋が下前腸骨棘から起こる二関節筋だから。伸びきれず骨盤を前傾させて代償する。
  • 広筋群は単関節筋なので、短縮してもこの現象は起こらない。
  • ハムストリングスは膝屈筋。膝を曲げる操作では伸ばされない。
  • 大腿直筋の伸張性はHBD(踵殿距離)で数値化し、経過を追う。
比較表
またぐ関節膝屈曲での伸張尻上がり現象
大腿直筋股関節・膝関節(二関節筋)される生じる
広筋群膝関節のみ(単関節筋)される生じない
ハムストリングス股関節・膝関節(二関節筋)されない(短縮側)生じない
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