学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §25 大腿部打撲・肉ばなれ、大腿四頭筋、ハムストリングスの診察 / QJ32A026

理由で解く 柔道整復師

QJ32A026 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問26
問題
ハムストリングスの肉離れで正しいのはどれか。
選択肢
1 筋腹に好発する。
2 求心性収縮で起こりやすい。
3 下肢長の不一致が原因となりえる。
4 損傷程度の評価にHBD を用いる。
解答
正解3(下肢長の不一致が原因となりえる。)
解説

ハムストリングスの肉離れは、走行中に筋が伸ばされながら力を出す遠心性収縮の場面で、筋腱移行部に起こります。下肢長の不一致(脚長差)のような身体側の要因も発生原因になりえます。

肉離れは、筋が縮もうとしているのに外から引き伸ばされる局面で、筋線維と腱の境目に張力が集中して起こります。ハムストリングスなら、疾走のスイング脚が前へ振り出されて着地に備える瞬間がこれにあたります。発生には筋力・柔軟性の左右差、疲労、ウォーミングアップ不足といった内的要因が重なり、脚長差があると走行時の骨盤・下肢の動きが左右で不均等になって片側に負担が偏ります。したがって再発予防では、患部の治療だけでなく、脚長差や柔軟性・筋力バランスといった背景因子まで評価して整えることが大切です。

✓ 3. 正しい
下肢長の不一致が原因となりえる。
脚長差があると走行時に骨盤が傾き、片側のハムストリングスに伸張ストレスが偏ります。こうした身体側の要因は再発の温床になるため、復帰前に評価して補正します。
✗ 1. 誤り
筋腹に好発する。
張力が集中して破綻しやすいのは筋線維と腱の境目、すなわち筋腱移行部です。圧痛点も筋腹の中央ではなく移行部に一致することが多くなります。
✗ 2. 誤り
求心性収縮で起こりやすい。
肉離れは、筋が引き伸ばされながら収縮する遠心性(伸張性)収縮で起こります。求心性収縮では筋が短縮する方向なので、同じ大きさの張力でも損傷に至りにくくなります。
✗ 4. 誤り
損傷程度の評価にHBD を用いる。
HBD(踵殿距離)は腹臥位で膝を屈曲したときの踵と殿部の距離で、大腿四頭筋(特に大腿直筋)の伸張性をみる指標です。ハムストリングスにはSLR(下肢伸展挙上)角度や膝関節の伸展制限などを用います。
ポイント
  • 好発部位は筋腱移行部。二関節筋(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)に多い。
  • 発生機序は遠心性(伸張性)収縮。疾走のスイング後期がその典型場面。
  • 内的要因=脚長差、柔軟性・筋力の左右差、疲労、ウォーミングアップ不足。
  • HBDは大腿四頭筋、SLRはハムストリングスの伸張性指標。取り違えに注意。
  • 復帰時は患部の治癒だけでなく背景因子の補正まで行い、再発を防ぐ。
比較表
指標肢位評価する筋
HBD(踵殿距離)腹臥位・膝屈曲大腿四頭筋(大腿直筋)
SLR(下肢伸展挙上)背臥位・膝伸展位で挙上ハムストリングス
FFD(指床間距離)立位体前屈体幹背面〜ハムストリングス全体
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