学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §22 示指PIP関節背側脱臼の固定 / QJ32A022

理由で解く 柔道整復師

QJ32A022 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問22
問題
示指 PIP 関節背側脱臼で正中索損傷を合併している場合の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 固定指は示指から小指とする。
2 固定肢位はPIP 関節伸展とする。
3 固定範囲は MP 関節手前から指尖部までとする。
4 固定期間は5週とする。
解答
正解2(固定肢位はPIP 関節伸展とする。)
解説

正中索(中央索)を損傷したPIP関節背側脱臼では、放置するとボタン穴変形へ進むため、PIP関節を伸展位に保つ固定が要点です。

正中索は指伸筋腱が中節骨底の背側に停止する部分で、PIP関節の伸展を担います。ここが破綻すると、本来は背側にある左右の側索が掌側へ滑り落ち、PIP屈曲+DIP過伸展というボタン穴(ボタンホール)変形が完成します。そこで固定はPIP伸展位とし、断端を近づけながら側索が掌側へ落ちるのを防ぎます。固定範囲は中手骨部(MP関節を越えた近位)から指尖部までとして伸展位を保持する支点を確保し、期間は3週間前後を目安に、その間もDIP関節の自動運動を続けて側索の癒着を防ぐのが一般的な進め方です。

✓ 2. 正しい
固定肢位はPIP 関節伸展とする。
PIP伸展位は正中索の断端を近づけ、側索が掌側へ滑り落ちるのを止める肢位です。これがそのままボタン穴変形の予防になります。
✗ 1. 誤り
固定指は示指から小指とする。
損傷は示指のみで、健常な中指〜小指まで巻き込むと不要な関節拘縮と手の機能低下を招きます。固定は患指を中心とし、必要なら隣接する中指を副える程度にとどめます。
✗ 3. 誤り
固定範囲は MP 関節手前から指尖部までとする。
MP関節手前までではPIP伸展位を保つ土台(てこの支点)が足りず、固定が緩んで変形を許してしまいます。中手骨部からのより長い範囲で支えます。
✗ 4. 誤り
固定期間は5週とする。
目安は3週間前後で、5週は長すぎてPIP関節の屈曲制限や腱の癒着を残しやすくなります。固定解除後は可動域訓練へ移行し、DIPの自動運動は固定中から継続します。
ポイント
  • 正中索=中節骨底背側に停止しPIP伸展を担う。断裂→側索が掌側へ落ちてボタン穴変形。
  • 固定肢位はPIP伸展位。これが変形予防の本体。
  • 固定範囲は中手骨部(MP関節を越える)から指尖部まで。
  • 固定期間は3週間前後が目安。長すぎる固定は拘縮の原因。
  • 固定中もDIP関節の自動運動を行い、側索の掌側移動と癒着を防ぐ。
比較表
損傷部位生じる変形固定肢位
正中索(中節骨底背側)ボタン穴変形(PIP屈曲・DIP過伸展)PIP伸展位
終止腱(末節骨底背側)槌指(マレットフィンガー、DIP屈曲)DIP伸展位
掌側板(PIP掌側)スワンネック変形(PIP過伸展)PIP軽度屈曲位
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