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理由で解く 柔道整復師

QJ31P070 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問70
問題
疲労骨折と発生部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 下位頸椎棘突起
2 脛骨顆間隆起
3 距骨頸部
4 肋骨第12
解答
正解1(下位頸椎棘突起)
解説

下位頸椎棘突起が正しい。シャベル作業者骨折(clay shoveler's fracture)として知られ、棘突起に付く筋腱が繰り返し引っ張られて第7頸椎前後の棘突起が疲労骨折を起こす。

疲労骨折は、一回の大きな外力ではなく「正常な骨に弱い力が繰り返し加わる」ことで生じる。したがって好発部位は、その動作で反復して牽引される、あるいは繰り返したわむ場所に決まる。下位頸椎棘突起は、土をすくって放り投げる作業や重量物の担ぎ運びで僧帽筋・菱形筋などの牽引を受け続け、剥がれるように折れる。残りの3つはいずれも一回性の外力で起こる外傷性骨折の代表部位であり、反復負荷で折れる場所ではない。

✓ 1. 正しい
下位頸椎棘突起
棘突起に付着する筋腱の反復牽引によって生じる疲労骨折で、第7頸椎に多い。スコップ作業や重量物運搬が典型的な背景。
✗ 2. 誤り
脛骨顆間隆起
ここは前十字靱帯の付着部で、膝の急なひねりや過伸展による一回性の裂離(剥離)骨折の部位。小児に多い。脛骨の疲労骨折は骨幹部(跳躍型・疾走型)に起こる。
✗ 3. 誤り
距骨頸部
足関節の強い背屈が強制されたときに脛骨前縁が距骨頸に食い込んで折れる、一回性の外傷。距骨体部の阻血性壊死を残しやすい骨折として押さえる。
✗ 4. 誤り
肋骨第12
肋骨の疲労骨折はゴルフやボート漕ぎでの中位肋骨、重量物の担ぎによる第1肋骨などが知られる。第12肋骨は浮遊肋で反復牽引を受けにくい。
ポイント
  • 疲労骨折=正常な骨+反復する小さな外力。骨脆弱性骨折(弱い骨+通常の力)と区別する。
  • 下位頸椎棘突起の疲労骨折=シャベル作業者骨折。第7頸椎に多い。
  • 代表的な好発部位=脛骨骨幹部(跳躍型・疾走型)、第2・3中足骨(行軍骨折)、腰椎椎弓(分離症)、中位肋骨(スイング動作)。
  • 初期はエックス線に写らないことがある。症状が続くなら期間をおいた再撮影やMRI・骨シンチが可能な医療機関へつなぐ。
  • 再発予防には練習量・フォーム・シューズ・路面に加え、エネルギー摂取やカルシウム・ビタミンDの見直しまで含めて指導する。
比較表
部位骨折の種類典型的な原因
下位頸椎棘突起疲労骨折(シャベル作業者骨折)スコップ作業、重量物運搬
脛骨顆間隆起裂離骨折膝のひねり・過伸展(小児に多い)
距骨頸部外傷性骨折足関節の背屈強制
第12肋骨まれ(外傷性)浮遊肋で反復牽引を受けにくい
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