学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §16 部位別各論 肩・肩甲帯 / QJ31P064
理由で解く 柔道整復師
上腕骨外科頸骨折は、骨粗鬆症を背景に高齢者が転倒して起こす代表的な骨折である。正しい組合せは2。
好発年齢を丸暗記せずにすませるコツは、その年代で最も弱い組織はどこかを考えることである。成長期は骨端線と関節軟骨がまだ弱く、繰り返す力がここに集中する。上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎(いわゆる野球肘の外側型)は、投球時に肘外側で橈骨頭と上腕骨小頭がぶつかり合う圧迫・剪断力によって生じるもので、10歳前後から10代前半の成長期に起こる。中年期になると腱・腱板の血流が乏しい部分から退行変性が始まり、そこにカルシウムが沈着したり、腱そのものが弱くなったりする。肩の石灰沈着性腱板炎・滑液包炎が40〜50歳代(女性にやや多い)に夜間の激痛で発症するのも、上腕二頭筋長頭腱断裂が50〜60歳代に「重い物を持ち上げたら音がして力こぶが下がった」という形で起こるのも、この変性が土台にある。そして高齢期は骨量そのものが減り、転倒という日常的な出来事で骨が折れるようになる。上腕骨外科頸(解剖頸のすぐ遠位、大結節・小結節の下方のくびれ)は、骨皮質が薄く海綿骨に富む移行部で、転倒して手をつく・肩を打つと外力が集中する。橈骨遠位端骨折、大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折と並ぶ高齢者四大骨折の一つである。
| 疾患 | 好発年齢 | 弱くなっている組織 | 典型的な訴え |
|---|---|---|---|
| 離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭) | 学童期〜10代前半 | 成長期の関節軟骨・軟骨下骨 | 投球時の肘外側痛、伸展制限、ロッキング |
| 石灰沈着性腱板炎・滑液包炎 | 40〜50歳代 | 腱板の変性部 | 突然の夜間激痛、ほぼ全方向の運動制限 |
| 上腕二頭筋長頭腱断裂 | 50〜60歳代 | 結節間溝で摩耗・変性した腱 | 挙上時の断裂音、力こぶが下がる(ポパイ徴候) |
| 上腕骨外科頸骨折 | 老年期 | 骨量の減少した海綿骨 | 転倒後の肩の激痛・腫脹・皮下出血 |
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