学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ31P039

理由で解く 柔道整復師

QJ31P039 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問39
問題
関節リウマチで誤っているのはどれか。
選択肢
1 女性に多い。
2 背部痛が朝方に生じる。
3 中手指節関節に好発する。
4 関節炎は左右対称に起きる。
解答
正解2(背部痛が朝方に生じる。)
解説

関節リウマチは、手指などの小関節に左右対称の滑膜炎を起こす疾患です。朝方の背部痛が前面に出るのは、関節リウマチの特徴ではありません。

滑膜の慢性炎症がパンヌスを形成し、軟骨と骨を破壊していきます。好発部位は中手指節(MP)関節、近位指節間(PIP)関節、手関節、足の中足趾節(MTP)関節で、遠位指節間(DIP)関節は侵されにくいのが鑑別点です(DIP関節に変形が出るのは変形性関節症のヘバーデン結節)。進行するとスワンネック変形、ボタン穴(ボタンホール)変形、尺側偏位、外反母趾などをきたします。30〜50歳代の女性に多く、男女比はおよそ1対3〜4。1時間以上続く朝のこわばりが典型で、体を動かしているうちに軽快します。脊椎では環軸椎亜脱臼を生じることがあり施術上の注意点になりますが、これは頸椎の問題です。朝方の腰背部痛と改善しにくいこわばりが主症状として前面に出るのは、強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎のほうで、こちらは若年男性に多く、動くと軽快し、仙腸関節炎から始まります。

✗ 1. 正しい記述(答えではない)
女性に多い。
男性より女性に多く、男女比はおよそ1対3〜4です。30〜50歳代に発症のピークがあります。
✓ 2. これが答え(誤り)
背部痛が朝方に生じる。
関節リウマチの朝のこわばりは、手指・手関節など四肢の小関節に現れます。朝方の背部痛・腰痛と、なかなか改善しないこわばりが主症状となるのは強直性脊椎炎などの脊椎関節炎で、若年男性に多く、仙腸関節から上行します。「朝のこわばり」という言葉だけで関節リウマチに結びつけず、どの部位かまで確認するのが鑑別の要点です。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
中手指節関節に好発する。
MP関節・PIP関節・手関節・MTP関節が好発部位です。DIP関節は侵されにくく、この点が変形性関節症との鑑別に役立ちます。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
関節炎は左右対称に起きる。
多関節性かつ左右対称性の滑膜炎が特徴です。片側の関節だけに限局することは少なく、対称性は診断基準でも重視されてきました。
ポイント
  • 好発はMP・PIP・手関節・MTP関節。DIP関節は侵されにくい
  • 多関節性・左右対称性の滑膜炎。30〜50歳代の女性に多い
  • 朝のこわばりは1時間以上続き、動かすうちに軽快する(部位は手指・手関節)
  • 朝方の背部痛・腰痛が主症状なら強直性脊椎炎などの脊椎関節炎を考える
  • 変形はスワンネック変形・ボタン穴変形・尺側偏位
  • 環軸椎亜脱臼を生じることがあり、頸部の操作には注意を要する
比較表
関節リウマチ変形性関節症強直性脊椎炎
好発年齢・性30〜50歳代・女性中高年・女性10〜30歳代・男性
主な部位MP・PIP・手関節・MTPDIP(ヘバーデン結節)、膝、股仙腸関節・脊椎
対称性左右対称左右差あり体軸性
朝のこわばり1時間以上、手指短時間(30分未満)腰背部、30分以上
症状と運動動かすと軽快動かすと増悪動かすと軽快
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