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理由で解く 柔道整復師

QJ31P007 衛生学・公衆衛生学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問7
問題
寄生虫はどれか。
選択肢
1 カンジダ
2 アニサキス
3 クラミジア
4 リケッチア
解答
正解2(アニサキス)
解説

寄生虫はアニサキスです。残りの3つは真菌または細菌で、生物としての階層がそもそも異なります。

この種の問題は、まず「原核生物(細菌)か、真核生物(真菌・原虫・蠕虫)か、細胞をもたない粒子(ウイルス)か」という階層で切ると一気に整理できます。寄生虫は真核生物で、単細胞の原虫(マラリア原虫、赤痢アメーバ、トキソプラズマ、腟トリコモナスなど)と、多細胞の蠕虫(線虫・吸虫・条虫)に分かれます。アニサキスは線虫類に属し、サバ・アジ・イワシ・サンマ・イカなどの生食によって幼虫が胃壁や腸壁に刺入し、数時間後に激しい心窩部痛と嘔気をきたします(急性胃アニサキス症)。予防は加熱(中心部60℃で1分以上)または冷凍(−20℃で24時間以上)で、酢じめ・塩漬け・しょうゆ・わさびでは死滅しません。近年は食中毒統計で件数の上位を占め、公衆衛生上も注目される寄生虫です。

✓ 2. 正しい
アニサキス
線虫類に属する寄生虫です。ヒトは終宿主ではないため成虫にはならず、幼虫が消化管壁に刺入して激痛を起こします。内視鏡で虫体を摘出すると症状は速やかに治まります。予防としては、生食する魚介類の加熱または冷凍、目視での虫体除去、新鮮なうちの内臓除去が有効です。
✗ 1. 誤り
カンジダ
酵母様真菌です。口腔・腟・消化管・皮膚の常在菌で、抗菌薬の長期使用、糖尿病、免疫抑制状態などをきっかけに日和見感染(口腔カンジダ症、腟カンジダ症など)を起こします。真核生物ではありますが、真菌であって寄生虫ではありません。
✗ 3. 誤り
クラミジア
細菌(原核生物)に分類されます。自らエネルギーを十分に産生できず宿主細胞内でしか増殖できない偏性細胞内寄生性細菌で、性器クラミジア感染症、トラコーマ、オウム病の原因となります。「細胞に寄生する」という語感から寄生虫と取り違えやすいので注意しましょう。
✗ 4. 誤り
リケッチア
これも偏性細胞内寄生性の細菌です。マダニ・ツツガムシ・シラミ・ノミといった節足動物が媒介し、日本紅斑熱、つつが虫病、発疹チフスなどを引き起こします。媒介するのが節足動物であっても、病原体そのものは細菌です。
ポイント
  • 病原体は「細菌(原核)/真菌・原虫・蠕虫(真核)/ウイルス(非細胞性)」の階層でまず仕分ける
  • 寄生虫=原虫(マラリア原虫、赤痢アメーバ、トキソプラズマ)+蠕虫(線虫・吸虫・条虫)
  • アニサキスは線虫。海産魚介類の生食が原因、内視鏡での虫体摘出が治療
  • アニサキスの予防は加熱(60℃1分以上)か冷凍(−20℃24時間以上)。酢・塩・わさびでは死なない
  • クラミジアとリケッチアは「細胞内寄生」だが細菌。カンジダは真菌。名前の語感で判断しない
比較表
病原体分類主な疾患・特徴
アニサキス寄生虫(線虫)急性胃アニサキス症。海産魚介類の生食
カンジダ真菌(酵母様真菌)口腔・腟カンジダ症。日和見感染
クラミジア細菌(偏性細胞内寄生性)性器クラミジア感染症、トラコーマ、オウム病
リケッチア細菌(偏性細胞内寄生性)日本紅斑熱、つつが虫病。節足動物が媒介
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