学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §5 循環障害 / QJ31A120
理由で解く 柔道整復師
肺うっ血は、左心系が血液を送り出せずに肺静脈側へ血液が滞ることで起こる。原因は左心不全である。
うっ血は「出口が滞って手前に血液が溜まる」現象と考えると理解しやすい。肺静脈は左心房へ還るため、左心室・左心房のポンプ機能や充満が障害されると肺静脈圧・肺毛細血管圧が上昇し、肺うっ血となる。さらに進めば血漿成分が肺胞腔へ漏れ出て肺水腫となり、労作時呼吸困難、起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難、湿性ラ音、泡沫状の血性痰といった症状を示す。慢性化すると肺胞内にヘモジデリンを取り込んだマクロファージ(心不全細胞)が出現する。これに対し右心不全では体循環側にうっ血が生じ、頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫、腹水が主体となる。「どちら側の心臓が働けないと、どちらの循環に血が溜まるか」で振り分けるのが確実である。
| 病態 | 血液が滞る場所 | 主な所見 |
|---|---|---|
| 左心不全 | 肺静脈・肺毛細血管 | 肺うっ血・肺水腫、起坐呼吸、湿性ラ音、心不全細胞 |
| 右心不全 | 体循環の静脈系 | 頸静脈怒張、肝腫大(うっ血肝)、下腿浮腫、腹水 |
| 肝硬変(門脈圧亢進) | 門脈領域 | 食道・胃静脈瘤、脾腫、腹水、腹壁静脈怒張 |
| 下肢静脈瘤 | 下肢表在静脈 | 下腿腫脹、色素沈着、うっ滞性潰瘍 |
| 心タンポナーデ | (拡張障害で充満できない) | 頸静脈怒張、血圧低下、心音減弱、心拍出量低下 |
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