学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ31A096

理由で解く 柔道整復師

QJ31A096 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問96
問題
リンパ液で正しいのはどれか。
選択肢
1 リンパ流量は心拍出量と等しい。
2 リンパ液には赤血球が含まれる。
3 乳び槽には頭部からのリンパ液が入る。
4 リンパ液には免疫グロブリンが含まれる。
解答
正解4(リンパ液には免疫グロブリンが含まれる。)
解説

リンパ節で作られた抗体はリンパ液に入って運ばれるため、リンパ液には免疫グロブリンが含まれる。

リンパ液は、毛細血管から組織へしみ出した液のうち毛細リンパ管に回収されたもので、成分は血漿に近いがタンパク質濃度は低く、細胞成分はリンパ球が主体である。リンパ管は途中で必ずリンパ節を通り、そこで形質細胞が産生した抗体やリンパ球を受け取って下流へ流れていく。最終的には胸管と右リンパ本幹を経て静脈角で静脈に合流する。流量は安静時で1日あたり数リットル程度であり、毎分約5Lを送り出す心拍出量とは桁が大きく異なる。「リンパは組織液の回収路であり、免疫の通路でもある」という2つの役割で捉えると、選択肢の正誤を判断しやすい。

✓ 4. 正しい
リンパ液には免疫グロブリンが含まれる。
リンパ節の形質細胞が産生した抗体が輸出リンパ管に入り、胸管を通って静脈へ運ばれる。リンパ管が免疫応答の産物を全身へ届ける通路になっていることを示す。
✗ 1. 誤り
リンパ流量は心拍出量と等しい。
胸管を流れるリンパは安静時で1日あたり数リットル程度である。心拍出量は毎分約5Lで1日に換算すると数千リットルに相当し、両者は桁違いに異なる。
✗ 2. 誤り
リンパ液には赤血球が含まれる。
リンパ液は組織液に由来し、赤血球は正常な毛細血管壁を通り抜けられないため、通常は含まれない。含まれる細胞成分はリンパ球が中心である。
✗ 3. 誤り
乳び槽には頭部からのリンパ液が入る。
乳び槽は腹部(第1〜2腰椎の前方)にあり、両下肢と腹部・腸管からのリンパを集める部位である。頭頸部のリンパは頸リンパ本幹を通り、左半身のものは胸管の上端付近で合流する。
ポイント
  • リンパ液の細胞成分はリンパ球が主体で、赤血球は含まれない。
  • リンパ節で産生された免疫グロブリンを運ぶ通路でもある。
  • 乳び槽は下半身と腸管のリンパの集合点。腸からのリンパは脂肪で白く濁る(乳び)。
  • 胸管は左上半身と下半身全体、右リンパ本幹は右上半身を受け持ち、いずれも静脈角で静脈に合流する。
  • リンパの流れは筋ポンプ・呼吸運動・弁で保たれる。心臓のような専用のポンプはない。
比較表
リンパ液血液
由来毛細血管からしみ出した組織液心臓から拍出される循環液
細胞成分リンパ球が主体、赤血球は含まない赤血球・白血球・血小板
タンパク質血漿より低いが免疫グロブリンを含むアルブミンなど豊富
流量(安静時)1日あたり数リットル程度心拍出量 毎分約5L
流れの原動力筋ポンプ・呼吸運動・弁心臓のポンプ作用
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