学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §10 生殖 / QJ31A092

理由で解く 柔道整復師

QJ31A092 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問92
問題
妊娠初期で妊娠中期に比べ血中濃度が高いのはどれか。
選択肢
1 エストロゲン
2 プロゲステロン
3 ヒト胎盤性ラクトーゲン
4 ヒト絨毛性ゴナドトロピン
解答
正解4(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
解説

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は妊娠のごく初期に急上昇し、10週前後をピークにその後は低下する。他の3つは妊娠が進むほど増える。

受精卵が着床すると、絨毛の合胞体栄養膜細胞からhCGが分泌される。hCGは黄体形成ホルモンに似た働きで妊娠黄体を維持し、プロゲステロンの分泌を支える。血中・尿中濃度は妊娠初期に急速に上がり、妊娠8〜10週ごろに最高となった後は減少して、中期以降は低い値で推移する。一方、妊娠が進むと胎盤が発達し、エストロゲン・プロゲステロン・ヒト胎盤性ラクトーゲンは胎盤の大きさに比例して増え続け、末期に最高となる。したがって「初期のほうが中期より高い」といえるのはhCGだけになる。

✓ 4. 正しい
ヒト絨毛性ゴナドトロピン
着床直後から分泌が始まり、妊娠8〜10週ごろにピークを迎えて以後は低下する。妊娠黄体を維持してプロゲステロン分泌を支えるのが役割で、尿中に出るため妊娠反応検査の指標として使われる。
✗ 1. 誤り
エストロゲン
妊娠初期は黄体から、その後は胎盤から分泌され、週数が進むほど増加して末期に最高となる。子宮の発育や乳腺の発達に関わる。
✗ 2. 誤り
プロゲステロン
初期は妊娠黄体が、妊娠7〜9週ごろからは胎盤が主な供給源となり、以後も増え続けて末期に最高となる。子宮筋の収縮を抑えて妊娠を維持する。
✗ 3. 誤り
ヒト胎盤性ラクトーゲン
胎盤で産生され、胎盤の重量に比例して増えるため後期ほど高い。母体の糖・脂質代謝を変えて胎児にブドウ糖を回す働きをもつ。
ポイント
  • hCGは妊娠初期にピーク(8〜10週ごろ)を迎え、その後低下する。初期>中期となる唯一のホルモン。
  • hCGの役割は妊娠黄体の維持。黄体形成ホルモンと似た作用をもつ。
  • エストロゲン・プロゲステロン・ヒト胎盤性ラクトーゲンは妊娠末期に最高となる。
  • 妊娠7〜9週ごろにホルモンの供給源が黄体から胎盤へ移る。
  • プロゲステロンは子宮筋の収縮を抑え、体温を上げる作用をもつ。
比較表
ホルモン主な産生源濃度が最も高くなる時期
ヒト絨毛性ゴナドトロピン絨毛(合胞体栄養膜細胞)妊娠初期(8〜10週ごろ)
エストロゲン初期は黄体、以後は胎盤妊娠末期
プロゲステロン初期は黄体、以後は胎盤妊娠末期
ヒト胎盤性ラクトーゲン胎盤妊娠末期
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