学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ31A091

理由で解く 柔道整復師

QJ31A091 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問91
問題
αアドレナリン受容体の活性化で生じる反射はどれか。
選択肢
1 勃起
2 射精
3 排尿
4 排便
解答
正解2(射精)
解説

射精は下腹神経(交感神経)のα受容体を介して起こる。骨盤内の他の反射は副交感神経が実行役である。

男性の性機能は「勃起は副交感、射精は交感」と役割がはっきり分かれている。勃起では仙髄(S2〜S4)から出る骨盤内臓神経(副交感)が働き、一酸化窒素によって陰茎海綿体の血管平滑筋が弛緩して血液が流れ込む。射精では上位腰髄から出る下腹神経(交感)が精管・精嚢・前立腺の平滑筋をα₁受容体を介して収縮させて精液を尿道へ送り出し、同時に内尿道括約筋を締めて膀胱への逆流を防ぐ。骨盤内の反射は排尿・排便を含め多くが副交感優位で起こるため、交感神経のα受容体で起こる反射として射精が際立つ、という形で覚えると選びやすい。

✓ 2. 正しい
射精
下腹神経(交感、上位腰髄由来)がα₁受容体を介して精管・精嚢・前立腺の平滑筋を収縮させ、精液を尿道へ送る。同時に内尿道括約筋が収縮して膀胱への逆流を防ぐ。α₁受容体を遮断する薬で逆行性射精が起こりうることも、この機序から理解できる。
✗ 1. 誤り
勃起
仙髄から出る骨盤内臓神経(副交感)が担う。一酸化窒素を介して海綿体の血管平滑筋が弛緩し、血液が流入して起こる。α受容体の活性化はむしろ血管を収縮させる方向に働く。
✗ 3. 誤り
排尿
骨盤内臓神経(副交感)が膀胱排尿筋を収縮させ、内尿道括約筋がゆるむことで起こる。交感神経はβ₃で排尿筋を弛緩、α₁で内尿道括約筋を収縮させ、蓄尿の側に働く。
✗ 4. 誤り
排便
骨盤内臓神経(副交感)が直腸を収縮させ、内肛門括約筋がゆるむことで起こる。交感神経は直腸を弛緩させ括約筋を締めるため、排便を抑える方向である。
ポイント
  • 勃起=副交感(骨盤内臓神経、一酸化窒素)/射精=交感(下腹神経、α₁受容体)。
  • 排尿・排便を実行するのは副交感、ためるのは交感、と対応させる。
  • α₁受容体の代表的な作用は平滑筋の収縮(血管収縮、内尿道括約筋収縮、瞳孔散大筋収縮)。
  • 内尿道括約筋・内肛門括約筋は平滑筋で自律神経支配、外括約筋は骨格筋で陰部神経による随意支配。
  • 排尿反射の中枢は仙髄にあり、橋の排尿中枢がこれを統合する。
比較表
機能担当する神経受容体・伝達物質
勃起骨盤内臓神経(副交感、S2〜S4)一酸化窒素による血管平滑筋の弛緩
射精下腹神経(交感、上位腰髄)α₁受容体による平滑筋の収縮
排尿骨盤内臓神経(副交感)ムスカリン受容体による排尿筋の収縮
蓄尿下腹神経(交感)β₃で排尿筋弛緩、α₁で内尿道括約筋収縮
排便骨盤内臓神経(副交感)直腸収縮と内肛門括約筋の弛緩
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