学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ31A089

理由で解く 柔道整復師

QJ31A089 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問89
問題
受容体が細胞表面にあるのはどれか。
選択肢
1 ビタミンD
2 アンドロゲン
3 アルドステロン
4 副甲状腺ホルモン
解答
正解4(副甲状腺ホルモン)
解説

副甲状腺ホルモンはペプチドホルモンで細胞膜を通れないため、受容体は細胞表面(細胞膜)にある。他の3つは脂溶性で細胞内受容体を使う。

ホルモンは水溶性か脂溶性かで受容体の場所が決まる。ペプチド・タンパク質ホルモンやカテコールアミンは水溶性で脂質二重層を通過できないため、細胞膜上の受容体に結合し、cAMPやCa²⁺といったセカンドメッセンジャーを介して既にある酵素を活性化する。そのため作用の発現は速いが持続は短い。一方、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、活性型ビタミンDは脂溶性で細胞膜を通り抜け、細胞質や核内の受容体と結合して遺伝子の転写を調節するため、効き始めるまで時間がかかるが作用は長く続く。選択肢を見たら「どれがペプチドか」を探せば即座に決まる。

✓ 4. 正しい
副甲状腺ホルモン
84個のアミノ酸からなるペプチドホルモンで水溶性。骨や腎尿細管の細胞膜にあるGタンパク質共役型受容体に結合し、cAMPを介して骨吸収の促進、腎でのCa再吸収とビタミンD活性化を進め、血中Ca濃度を上げる。
✗ 1. 誤り
ビタミンD
脂溶性ビタミン由来でステロイドに似た構造をもつ。活性型(1,25-ジヒドロキシビタミンD)が細胞内の核内受容体に結合し、腸管でのCa吸収に関わるタンパク質の合成を高める。
✗ 2. 誤り
アンドロゲン
コレステロールから作られるステロイドホルモンで、細胞膜を通過して細胞内受容体と結合し、複合体が核に入って標的遺伝子の転写を調節する。
✗ 3. 誤り
アルドステロン
副腎皮質球状層から分泌される鉱質コルチコイドで、これもステロイドホルモンである。腎の集合管などの細胞内受容体に結合し、Na⁺再吸収に関わるタンパク質を増やす。
ポイント
  • 細胞膜(表面)受容体=水溶性ホルモン(ペプチド・タンパク質・カテコールアミン)。
  • 細胞内(核内)受容体=脂溶性ホルモン(ステロイド、甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD)。
  • 膜受容体は速効性で短時間、核内受容体は遅効性で持続的。作用の速さも一緒に覚える。
  • ステロイドホルモンは副腎皮質と性腺から分泌される。判別の手がかりになる。
  • 副甲状腺ホルモンは血中Caを上げ、カルシトニンは下げる。どちらもペプチドで膜受容体を使う。
比較表
細胞膜受容体を使うホルモン細胞内受容体を使うホルモン
性質水溶性脂溶性
代表副甲状腺ホルモン、インスリン、成長ホルモン、アドレナリンアルドステロン、コルチゾール、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD
作用の仕組みセカンドメッセンジャー(cAMPなど)を介する遺伝子の転写を調節する
作用の発現速い・短い遅い・持続する
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。