学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §5 呼吸器系 / QJ31A064

理由で解く 柔道整復師

QJ31A064 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問64
問題
縦隔の境界をなすのはどれか。
選択肢
1 第1肋骨
2 心臓
3 肺胸膜
4 横隔膜
解答
正解4(横隔膜)
解説

正解は4。縦隔は左右の肺(縦隔胸膜)に挟まれた領域で、その下の境界をつくるのが横隔膜です。

縦隔の壁(境界面)として教科書が挙げるのは、前=胸骨、後=胸椎、左右=縦隔胸膜(壁側胸膜の一部)、下=横隔膜の4つです。上方は胸郭上口として外に開いており、そこから頸部の結合組織へそのまま連続するため、閉じた壁を作りません。つまり縦隔は「上だけ開いた箱」で、上口は境界面ではなく開口部として区別します。この箱の中に心臓・大血管・気管・食道・胸腺・胸管・迷走神経・横隔神経などが収まります。したがって心臓は境界ではなく中身であり、中縦隔を占める内容物です。また肺の表面をぴったり覆うのは肺胸膜(臓側胸膜)で、縦隔の側壁をつくるのは壁側胸膜のうちの縦隔胸膜ですから、同じ胸膜でも役割が違います。境界を問われたら「胸骨・胸椎・縦隔胸膜・横隔膜」の4つを思い出し、そこに含まれるものを選ぶ、という手順で解けます。

✓ 4. 正しい
横隔膜
縦隔の下の境界です。横隔膜を大動脈・食道・下大静脈が貫き、胸腔と腹腔を隔てています。
✗ 1. 誤り
第1肋骨
縦隔の上方は胸郭上口として開放され、頸部へ連続しているため、そもそも閉じた壁(境界面)を作りません。縦隔の壁として挙げられるのは前=胸骨、後=胸椎、左右=縦隔胸膜、下=横隔膜の4つで、第1肋骨は胸郭(胸郭上口の輪郭)を構成する骨であって縦隔の壁ではありません。
✗ 2. 誤り
心臓
心臓は縦隔の内容物で、中縦隔を占めます。囲むものではなく囲まれるもの、という関係です。
✗ 3. 誤り
肺胸膜
肺胸膜は肺の表面を覆う臓側胸膜です。縦隔の側壁をつくるのは壁側胸膜のうちの縦隔胸膜で、別のものです。
ポイント
  • 縦隔の壁(境界面)は4つ:前=胸骨、後=胸椎、左右=縦隔胸膜、下=横隔膜。
  • 上方は胸郭上口(開口部であり壁ではない)。頸部へ連続するため境界面には数えない。第1肋骨は胸郭を構成する骨で、縦隔の壁ではない。
  • 内容物は心臓・大血管・気管・食道・胸腺・胸管・迷走神経・横隔神経など。心臓は中身。
  • 肺胸膜(臓側)と縦隔胸膜(壁側)の区別が問われやすい。
  • 区分は上縦隔と下縦隔(前・中・後縦隔)で、心臓は中縦隔。境界を聞かれたら「胸骨・胸椎・縦隔胸膜・横隔膜」の4つをまず思い出す。
比較表
方向縦隔の境界
前方胸骨(壁)
後方胸椎(壁)
左右縦隔胸膜=壁側胸膜(壁)
下方横隔膜(壁)
上方胸郭上口(開口部であり壁ではない。頸部へ連続する)
(内容)心臓・大血管・気管・食道・胸腺・胸管など
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