学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ31A059

理由で解く 柔道整復師

QJ31A059 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問59
問題
胎児循環で最も低い酸素飽和度の血液が流れるのはどれか。
選択肢
1 静脈管(アランチウス管)
2 動脈管(ボタロー管)
3 臍静脈
4 臍動脈
解答
正解4(臍動脈)
解説

正解は4。臍動脈は胎児から胎盤へ戻る血液が流れる血管で、胎児の組織で酸素を使ったあとの血液なので酸素飽和度が最も低くなります。

胎児循環は「動脈=酸素が多い」という思い込みが通じない点が最大のポイントです。胎盤で酸素と栄養を受け取った血液は1本の臍静脈を通って胎児に入り、ここが最も酸素飽和度の高い血液になります。その大半は静脈管(アランチウス管)で肝を迂回して下大静脈に合流し、右心房から卵円孔を通って左心房へ抜け、脳と上半身へ優先的に配られます。上半身から戻った酸素の少ない血液は右心室から肺動脈に出ますが、肺はまだ虚脱していて血管抵抗が高いため、動脈管(ボタロー管)を通って下行大動脈へ流れます。そして下半身を巡ったあと、内腸骨動脈の枝である左右2本の臍動脈から胎盤へ返ります。この一巡を「臍静脈が入口、臍動脈が出口」と押さえれば、飽和度の高低は流れの順番どおりに並びます。

✓ 4. 正しい
臍動脈
内腸骨動脈から分かれ、胎児から胎盤へ向かう2本の血管です。全身を巡り酸素を渡し二酸化炭素と老廃物を受け取った後の血液なので、飽和度は最も低くなります。
✗ 1. 誤り
静脈管(アランチウス管)
臍静脈の血液を肝を迂回させて下大静脈へ導く短絡路です。臍静脈血をそのまま受けるため、酸素飽和度は高い部類に入ります。
✗ 2. 誤り
動脈管(ボタロー管)
肺動脈と下行大動脈を結ぶ短絡路で、上半身から戻った酸素の少ない血液が流れます。低めではありますが、この後に下半身を巡ってさらに酸素を渡すため、臍動脈より飽和度は高くなります。
✗ 3. 誤り
臍静脈
胎盤から胎児へ向かう1本の血管で、胎児循環のなかで酸素飽和度が最も高い血液が流れます。設問とは正反対です。
ポイント
  • 臍静脈(1本)=胎盤→胎児、最も酸素飽和度が高い。臍動脈(2本)=胎児→胎盤、最も低い。
  • 静脈管(アランチウス管)は臍静脈血を肝から迂回させ下大静脈へ。飽和度は高い。
  • 卵円孔で右心房→左心房、動脈管で肺動脈→下行大動脈と、肺を2か所で迂回する。
  • 酸素の多い血液は卵円孔経由で脳・上半身へ優先的に配られる。
  • 出生後は臍静脈→肝円索、静脈管→静脈管索、動脈管→動脈管索、卵円孔→卵円窩、臍動脈→臍動脈索へ。
比較表
構造血液の流れる向き酸素飽和度
臍静脈胎盤→胎児最も高い
静脈管(アランチウス管)臍静脈→下大静脈高い
動脈管(ボタロー管)肺動脈→下行大動脈低め
臍動脈胎児(内腸骨動脈)→胎盤最も低い
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