学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §6 柔道整復師と国民医療費 / QJ31A041

理由で解く 柔道整復師

QJ31A041 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問41
問題
医療扶助が規定されているのはどれか。
選択肢
1 生活保護法
2 健康保険法
3 児童福祉法
4 老人福祉法
解答
正解1(生活保護法)
解説

医療扶助は生活保護法が定める8種類の扶助の一つです。したがって正答は1の生活保護法になります。

生活保護法は憲法第25条の生存権を具体化した法律で、生活に困窮する人に対し、困窮の程度に応じて生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭の8扶助を行います。このうち医療扶助と介護扶助だけは現金ではなく現物給付(サービスそのものを給付する形)が原則で、福祉事務所が発行する医療券・施術券に基づいて、指定を受けた医療機関や施術所がサービスを提供します。医療保障との関係は場合分けで理解してください。生活保護の受給者は国民健康保険法第6条により国民健康保険の被保険者から除外され、後期高齢者医療の被保険者にもなりません。そのため、これらの制度に加入していない受給者の医療は医療扶助が原則として全額公費で担います。一方、受給者が被用者として健康保険(被用者保険)の被保険者である場合は健康保険の給付が優先し、医療扶助は自己負担分を補う形で適用されます。「国保・後期高齢者医療は適用除外、被用者保険なら併用」と整理すると混乱しません。柔道整復の施術も、生活保護法の指定施術機関となっていれば医療扶助の対象として取り扱えます。

✓ 1. 正しい
生活保護法
生活保護法第11条が8つの扶助を列挙しており、その中に「医療扶助」が明記されています。医療扶助は現物給付が原則で、他の医療保険に加入していない受給者の窓口負担は原則ありません。指定施術機関として登録すれば柔道整復の施術も医療扶助で対応できるので、生活保護受給者を受け入れる予定があるなら、あらかじめ福祉事務所に指定申請の手続きを確認しておくとよいでしょう。
✗ 2. 誤り
健康保険法
健康保険法が定めるのは「療養の給付」「家族療養費」「療養費」などで、「医療扶助」という給付は置かれていません。保険料を主な財源とする社会保険であり、公費で最低限度の生活を保障する扶助とは仕組みそのものが異なります。なお、生活保護受給者であっても被用者として健康保険の被保険者である場合はあり、そのときは健康保険から「療養の給付」が行われますが、それは医療扶助という給付ではありません。
✗ 3. 誤り
児童福祉法
児童福祉法にも医療に関わる給付として「療育の給付」や小児慢性特定疾病医療費の支給がありますが、名称も対象も医療扶助とは別のものです。対象は原則として児童に限られます。
✗ 4. 誤り
老人福祉法
老人福祉法は特別養護老人ホームなどの老人福祉施設や在宅福祉サービスの「措置」を定める法律で、医療給付の規定はありません。高齢者の医療は健康保険法や高齢者医療確保法(後期高齢者医療制度)が担当します。
ポイント
  • 医療扶助=生活保護法。8扶助は「生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭」で、頭文字をつなげて覚える。
  • 8扶助のうち現物給付は医療扶助と介護扶助の2つだけ。残りは金銭給付が原則。
  • 生活保護受給者は国民健康保険・後期高齢者医療の適用除外(国民健康保険法第6条)。これらに加入していない受給者の医療は医療扶助が原則全額公費でまかなう。
  • ただし被用者として健康保険の被保険者である場合は健康保険の給付が優先し、医療扶助は自己負担分を補足する形で適用される。「生活保護なら健康保険は一切使えない」は誤り。
  • 医療扶助を扱えるのは生活保護法の指定を受けた医療機関・施術機関のみ。柔道整復の施術も指定を受ければ施術券で対応できる。
  • 「扶助」という言葉が出たら生活保護法、「療養の給付」なら健康保険法、と給付名で法律を引き当てる。
比較表
法律医療に関わる給付の名称財源の基本
生活保護法医療扶助(現物給付・原則自己負担なし)公費(国3/4・地方1/4)
健康保険法療養の給付、家族療養費、療養費保険料+一部公費+一部負担金
児童福祉法療育の給付、小児慢性特定疾病医療費公費
老人福祉法医療給付の規定なし(福祉の措置が中心)公費
高齢者医療確保法後期高齢者医療の療養の給付公費約5割+支援金+保険料
【医療扶助と医療保険の関係】生活保護受給者は国民健康保険・後期高齢者医療の適用除外 → 医療扶助が全額公費で担当。被用者として健康保険に加入している場合は健康保険の給付が優先 → 医療扶助は自己負担分を補足。
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