学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §28 膝関節半月板損傷の診察 / QJ31A030

理由で解く 柔道整復師

QJ31A030 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問30
問題
膝半月板単独損傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 脛骨粗面を強打し発生する。
2 内側の原因は円板状半月が多い。
3 損傷側の側副靱帯付着部に放散痛がある。
4 高齢者では退行性変化を基盤としている。
解答
正解4(高齢者では退行性変化を基盤としている。)
解説

半月板は加齢とともに水分と弾力を失い、軽微な力でも損傷しやすくなります。高齢者の半月板損傷が退行性変化を基盤とするという4が正しい記述です。

若年者の半月板損傷は、荷重した膝が屈曲位で回旋する(体重を乗せたまま方向を変える)ときに、大腿骨と脛骨の間で半月板が挟まれて起こります。これに対し高齢者では、半月板そのものの変性が進んでいるため、しゃがみ込みや立ち上がりといった日常動作でも水平断裂などが生じます。診断では損傷側の関節裂隙に一致した圧痛、マックマレーテストやアプライ圧迫テストの陽性所見、ロッキングや膝くずれの有無を確認し、症状が続く場合は画像評価のため医師へ紹介します。

✓ 4. 正しい
高齢者では退行性変化を基盤としている。
加齢による変性で半月板の弾力が低下しているため、明らかな外傷がなくても日常動作で損傷します。若年者のようなはっきりした受傷機転を聴取できないことも多く、変形性膝関節症との併存も念頭に置きます。
✗ 1. 誤り
脛骨粗面を強打し発生する。
半月板損傷の主な機序は、荷重+屈曲+回旋という介達外力です。脛骨粗面付近を前方から強打する外力(ダッシュボード損傷)で問題になるのは後十字靱帯損傷です。
✗ 2. 誤り
内側の原因は円板状半月が多い。
円板状半月は外側半月板に多くみられる形態異常です。内側ではまれで、内側半月板は内側側副靱帯や関節包と結合して可動性が小さいことが損傷の背景になります。
✗ 3. 誤り
損傷側の側副靱帯付着部に放散痛がある。
圧痛は損傷側の関節裂隙に一致して認められます。膝の屈曲角度を変えると圧痛点が前後に移動する(シュタインマンII徴候)のも半月板損傷の特徴です。側副靱帯付着部の圧痛は側副靱帯損傷を示唆します。
ポイント
  • 若年者は荷重+屈曲+回旋で受傷、高齢者は退行性変化を基盤に軽微な動作で受傷する。
  • 円板状半月は外側半月板に多い形態異常で、若年者の外側半月板損傷の背景となる。
  • 圧痛は損傷側の関節裂隙に一致。屈曲角度で圧痛点が移動する(シュタインマンII徴候)。
  • ロッキング(膝が伸びない)や膝くずれがあれば、日常生活の指導とともに医師の評価を仰ぐ。
  • 内側半月板は可動性が小さく、前十字靱帯・内側側副靱帯損傷と合併しやすい。
比較表
項目内側半月板外側半月板
形状C字状ほぼO字状
可動性小さい(内側側副靱帯・関節包と結合)大きい
円板状半月まれ比較的多い
合併損傷前十字靱帯・内側側副靱帯と合併しやすい単独損傷の割合が比較的高い
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