学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §9 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復 / QJ31A007

理由で解く 柔道整復師

QJ31A007 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問7
問題
上腕骨外科頸外転型骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 肩峰下に上腕骨骨頭を触知
2 三角筋部の腫脹著明
3 軽度の限局性圧痛
4 軋轢音を触知
解答
正解3(軽度の限局性圧痛)
解説

上腕骨外科頸外転型骨折の圧痛は骨折線に一致して限局し、その程度は著明である。「軽度」とする記述が設問の答え。

外科頸外転型骨折は、上肢を外転位にして手をついた際の介達外力で生じ、遠位骨片が外転して骨折部が前内方へ突出する。骨折血腫と周囲軟部組織の損傷により三角筋部は著明に腫脹し、圧痛は骨折線に一致した限局性圧痛として強く出るのが特徴で、これは軟部組織損傷のみの場合との重要な鑑別点になる。骨折の固有症状である異常可動性・軋轢音を認めることもあるが、外転型は骨片が嵌入していることが多く、嵌入例ではこれらが明らかでないうえ疼痛も軽度で自動運動がある程度可能なため、捻挫と誤りやすい。症状が軽くても、限局性の圧痛と受傷機転から骨折を疑い、固定して医師の診察につなぐ姿勢が必要である。また外観が肩関節前方脱臼と紛らわしいが、本骨折では骨頭が関節窩にとどまるため肩峰下に骨頭を触知でき、脱臼では肩峰下が空虚となって肩峰が角状に突出する。

✓ 3. これが答え(記述として誤り)
軽度の限局性圧痛
圧痛が限局する点は正しいが、その程度は軽度ではなく著明である。限局した強い圧痛は骨折を示唆する所見として重視される。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
肩峰下に上腕骨骨頭を触知
骨頭は関節窩にとどまるため肩峰下に触れる。肩峰下が空虚となる肩関節前方脱臼との鑑別点。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
三角筋部の腫脹著明
骨折血腫と軟部組織損傷により三角筋部は著明に腫脹する。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
軋轢音を触知
骨折の固有症状として認められる。ただし外転型は骨片が嵌入していることが多く、その場合は軋轢音も異常可動性も明らかでなく症状も軽微なため捻挫と誤りやすい。「軋轢音がないから骨折ではない」とは判断せず、限局性圧痛と受傷機転から骨折を疑う。確認のために操作を繰り返すと損傷を広げるため、触知の試みは必要最小限にとどめ、疑わしければ固定して医師の診察につなぐ。
ポイント
  • 外科頸外転型は外転位で手をついて受傷し、骨折部は前内方へ突出する。
  • 圧痛は限局性かつ著明。骨折を疑う重要所見。
  • 三角筋部の著明な腫脹、軋轢音、異常可動性を伴う。
  • ただし外転型は嵌入例が多く、その場合は軋轢音・異常可動性が出ず疼痛も軽度で自動運動が可能なため、捻挫と誤りやすい。
  • 肩峰下に骨頭を触知できる=骨折。肩峰下が空虚=前方脱臼。
  • 軋轢音の確認は最小限にとどめ、症状が軽くても疑わしければ固定して医療機関へつなぐ。
比較表
所見外科頸外転型骨折肩関節前方脱臼
肩峰下骨頭を触知できる空虚(肩峰が角状に突出)
三角筋部著明に腫脹膨隆が消失し扁平化
軋轢音・異常可動性あり。ただし嵌入例では明らかでないなし
弾発性固定なしあり(Dugas徴候陽性)
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